健康増進
身体の新常識 第45話 腸は第二の脳
腸が「第二の脳」と呼ばれる理由は、全身を統括する中枢だから腸が第二の脳と呼ばれる理由は以下の3点があります。
・ 腸と脳は相互に影響し合う脳腸相関
・ 腸は脳に次ぐ神経細胞を持ち指令を出している
・ 性格も腸内細菌によって変わると言われている
腸と脳は相互に影響し合う脳腸相関
腸と脳は互いに影響し合う関係であり、これを「脳腸相関」と呼びます。
自律神経系やホルモンなどを介して情報を伝達し、脳と腸は影響し合っています。
ストレスや不安を感じると腹痛や便意を催すことは、脳から腸への影響です。
一方で胃腸の調子が悪いと、不安や抑うつなど気分の変化を起こすことが知られています。脳の指令が腸に伝わるだけでなく腸の不調が脳に影響することから、腸は第二の脳と呼ばれます。
腸は脳に次ぐ神経細胞を持ち、指令を出しています。
腸は1億以上の神経細胞数を持ち、その数は脳に次ぐ多さです。
また腸だけで消化・吸収・排泄の機能を果たします。
腸は自律神経系やホルモンの分泌によって、脳に情報を送ります。
脳はその情報を基に調整を行い、腸からの影響が全身に広がる仕組みです。
腸は独自で機能を果たすだけでなく、全身の調整に間接的に関与しており「第二の脳」と呼ばれています。
性格も腸内細菌によって変わると言われています。
腸が第二の脳と呼ばれる理由に、腸内細菌の状態が性格に影響する可能性が挙げられます。
腸内細菌を含めて腸内環境を整えることが、心身の健康維持に重要なことが分かります。
「脳」と「腸」両者を整えるとメンタルの安定が期待できます。
相関関係にある脳と腸の両方を整えると、メンタルの安定が期待できます。
脳と腸それぞれを整えるためのアプローチは以下の通りです。
・ 脳へのアプローチ:気分転換・睡眠・人間関係
・ 腸へのアプローチ:食事・運動・水分補給
メンタルを安定させるための脳へのアプローチは次の通りです。
・ 気分転換
・ 質のいい睡眠
・ 良好な人間関係
脳の状態を改善させるためには、ストレスの軽減を心がけましょう。
趣味や入浴での気分転換、適度な運動、就寝前にスマートフォンを見ないなどは、睡眠の質を高める効果が期待できます。
また自然との触れ合いでリフレッシュしたり、仲がいい友人・家族と触れ合ったりすることも大切です。
定期的な運動や感情を動かすことでセロトニンの分泌を促し、脳の状態を整えましょう。
腸へのアプローチ:食事、運動、水分補給
腸へのアプローチでストレスの軽減やメンタルの安定を目指す場合は、以下に取り組みましょう。
・ 食生活の改善
・ 適度な運動
・ 十分な水分補給
腸内環境を改善するには、食生活を変えて腸内細菌の状態を整えることが基本です。
食生活の改善では発酵食品、オリゴ糖を含む食品、食物繊維が多い食品の摂取をしましょう。

身体の新常識 第32話 風邪やインフルエンザに罹って免疫を鍛えよう
人間は長い歴史の中でインフルエンザと戦い、付き合ってきました。冬が近づくと、インフルエンザの予防接種が盛んに行われますが、自然の摂理からすれば、インフルエンザにかかるのは一概にわるいこととは言えません。
人間の体は、風邪やインフルエンザに罹った後、免疫力が高まるからです。
ですから、毎年はやっている風邪やインフルエンザは、引いておいた方が免疫力が高まって、身体によいのです。
学校や会社で風邪が流行しても、風邪がうつる人とうつらない人がいます。
風邪にならない人は、初めから免疫力が高いから、流行ってもうつらないのです。
特に、白血球の基本のマクロファージの段階で処理できると症状が出ないのです。
弱った人が風邪をひくことで、みんなと同じレベルに免疫が上がるというのが、風邪やインフルエンザの役目です。
「身体を鍛えるのは体操。免疫を鍛えるには風邪をひきなさい」
実際、毎年、風邪が流行り出すと、そそくさと流行っている中心に行ってうつしてもらおうとしています。
しかし、そうしていると、風邪をひきたくてもひかなくなります。
もちろん、免疫力が高くなっているからです。
日本人は抗菌だとか手洗いだとか、きれい好き過ぎて免疫力が弱っているようです。
しかし、やたらに手を洗ったりせずに、適当に汚れていても放っておくことで、免疫力を上げます。
あまりきれい好き過ぎると、かえって免疫力を低下させることに繋がってしまうわけです。

身体の新常識 第31話 痛み止めは肩こりを悪化させる
姿勢の崩れが肩こりや腰痛を招いているのです。強いストレスが長く続くと血流の循環障害がおこり、骨の量が少なくなっていきます。
緊張状態が長時間続くと、骨の量がどんどん減っていくので、骨格、筋肉から悪い姿勢同じ姿勢でいるためで変形します。
姿勢が悪くなっていくと、肩・首・腰などが痛くなってきます。
この時大切なのは、痛みを止めるために「痛み止め薬」を使うのでなく、ストレスを取り除き、運動をして身体を温めて血流を良くし、白血球の働きを促すことです。
残念ながら、病院ではこうした考え方を把握していないのが現状です。
ですから、肩・首・腰が痛いと言って病院に行くと、まず「鎮痛剤」が投薬されます。
「鎮痛剤」は筋緊張を促進させるだけです。
「鎮痛剤」は血管拡張作用や痛み作用を持つ「プロスタグランジン」の産出を止めるので血流が低下し、筋緊張はかえって悪化するのです。
筋緊張になるとますます血流障害が起こりますから、一時的に楽になっても、根本的な問題が解決していません。いずれまた痛みが起こります。
デスクワークをする人は猫背になりやすいのですが、これは長時間同じ姿勢でいるため、背中から肩、首の血流が滞るからです。
特に首が前方に突き出すようになるのは明らかに仕事のし過ぎです。
必要以上に仕事をしているため、精神的にもストレスがかかり、身を守る反応が出ているのです。
血流が滞ると身体が冷え、交感神経優位の緊張状態が続き、身体を痛め、病を招きます。
こういう仕事をする人は、日頃から身体を鍛えていないために、より一層姿勢が崩れやすいということもあります。
合間に体操やストレッチをするのも大切です。
そして何より、必要以上に長時間、仕事をし過ぎているという認識が必要です。
姿勢が崩れるということは、たいていの場合、生き方の無理や偏りが原因です。
それを的確に指摘できると、根本から治癒できるのです。
そうでなければ、揺すっても緩めても温めても、いずれまた同じことを繰り返し、病気は再発するでしょう。

身体の新常識 第15話 肥満の大敵、内臓脂肪は皮下脂肪よりも落としやすい
多くの人が邪魔者扱いにしそうな「体脂肪」。ひとくちに脂肪といっても、体脂肪と呼ばれるものには「皮下脂肪」と「内臓脂肪」の2種類があります。
皮下脂肪はその名のとおり、皮膚のすぐ下につく脂肪で、下腹部や太もも、お尻の周りなどで、指でつまむことができます。
一方、内臓脂肪は、お腹の中の小腸に包み支えている腸間膜や内臓の周りにつく脂肪。
いわゆるポッコリお腹の原因となるのが内臓脂肪で、ウエストの周囲が男性で85cm以上、女性は90cm以上であれば内臓脂肪が蓄積していると判断されるのが一般的です。
内臓脂肪は直接見ることが出来ず、「ついちゃうとなんだか厄介」と感じがちだと思います。
もちろん、内臓脂肪は蓄積するとさまざまな代謝異常を引き起こし、糖尿病や高血圧、脳梗塞といった生活習慣病を引き起こしやすくなるため要注意です。
ただし、内臓脂肪は皮下脂肪よりも落としやすい脂肪であることが近年わかってきました。
つまりは食習慣と運動習慣を見直すことで、短期間で落とすことが可能です。
具体的には、糖質や脂質を適度に減らし、タンパク質・オメガ3系脂肪酸・食物繊維の摂取を増やす食事にしていくこと。
そして脂肪燃焼に効果的な有酸素運動を習慣にすることです。ウォーキングやジョギング、
水泳などで軽度から中度の負荷をかけて身体を動かすことで、内臓脂肪が消費されていきます。
見た目はそれほど太っていなくても、お腹だけポッコリ出ている人は内臓脂肪が溜まっている人の典型的な体型です。ぜひ注意してください。

身体の新常識 第14話 「小太り」は実は長生きできる体型だった
BMIとは肥満度を表す指標として、国際的に用いられている体格指数のことで、体重(㎏)÷身長(m)の2乗 で求められます。
世界保健機構(WHO)ではBMI25以上を過体重、30以上を肥満とし、日本肥満学会のきじゅんでは18.5未満が「低体重」、18.5~25が「普通体重」、25以上が「肥満」との位置づけです。
加えて、BMIが22になるときの体重が標準体重で、最も病気になりにくい状態であるとしています。
一方近年、国立がん研究センターが日本人35万人以上を対象とした研究によると、実はそうとも言えないことがデーターで示されました。
日本人の寿命、つまり死亡率をみると、男性であればBMI18.9以下の死亡率が高く、死亡率が低いのは25.0~26.9のグループだったのです。
女性は14.0~18.9の支死亡率が最も高く、23.0~26.9のグループが最も死亡率が低いのです。
つまり、それぞれの筋肉の付き方によりますが、一般的に「小太り」といえるような人が最も寿命が長くできるということ。
痩せすぎよりも、適度に「小太り」や「ぽっちゃり」のほうが、見た目も実際に健康的といえるということのようです。

身体の新常識 第12話 寝不足だと食欲が増して、ダイエットの敵になる?
なんだか最近太ってきちゃって・・・・。 どうして?と首をかしげるあなた、毎晩しっかりと睡眠がとれていますか?
実は肥満と睡眠には関連があり、毎日十分な睡眠がとれていないと、太りやすい生活習慣につながりやすいといわれています。
その秘密が、体内に生じる2つの物質「レプチン」と「グレリン」の存在です。
「レプチン」は食欲を抑制するホルモン、「グレリン」は食欲を増進させるホルモンであることがわかっています。
そして米スタンフォード大学が2004年に行った調査によると、8時間寝た人に比べて5時間しか寝ていない人は、食欲を促す「グレリン」の量が藥5%多く、食欲を抑える「レプチン」の量が約15%低いという実験結果が出たのです。
つまり睡眠不足になると、それだけ食欲が増していくということ。
加えて、甘いものや塩味の強いもの、炭水化物が食べたくなる傾向も、結果はいうまでもありません。
睡眠不足の人は、しっかり寝ている人よりも肥満のリスクが高くなってしまうわけです。
食欲が増して糖分などを摂りすぎると、催眠作用のある「メラトニン」という物質の分泌が遅くなり、更に睡眠不足を進行させるという悪循環にも陥ります。
食欲をコントロールするホルモンのバランスを健全な状態に保つためにも、質の良い睡眠を十分に摂ることはとても重要なのです。
何より、睡眠時間が慢性的に不足すると昼間眠くなってしまい、身体を動かすこと自体が億劫になってしまいますね。
食べる量が増え、運動もしないのであれば、行く末は火を見るよりも明らかです。
まずは睡眠不足を解消しましょう。

身体の新常識 第8話 夏場の血圧は上がるのでなく下がってしまう?
高血圧の人が降圧剤を服用しているとき、夏場の暑い時期は要注意です。というのも降圧剤には、血圧を上げる作用のあるナトリウムの体内量を減らす利尿剤や、血圧をコントロールするアンギオテンシンという物質を抑制する「ARB」や「ACEI」という薬があります。
当然、夏場は汗を大量にかきやすく、体の中の水分量は減りやすい状態になります。
そんなときに「利尿剤」によっては排尿量が増えると、水分の減少がより進み、血圧の低下が顕著になってしまいます。
すると、血圧を上げる「レニン」という物質が体内が脱水症状になると活性化する特性があり、血圧低下を抑えようとするのです。
通常であれば血圧を適度に下げてくれる「降圧剤」も、夏場に発汗などで体内の水分量が減ったときに服用すると、血圧調整機構が追いつかない低血圧状態に陥ることがあるため注意が必要というわけです。
高血圧だからといって、体内水分量を気にせずにやみくもに服用するのは禁物です。
暑い夏、水分補給が十分にできない時の「降圧剤」は少し工夫も必要かもしれません。

身体の新常識 第4話 コーヒーのポリフェノールで脳梗塞を防げる
コーヒーには近年、さまざまな健康効果が報告されています。糖尿病や認知症の予防や肥満防止、または大腸がんや肝臓がんを防ぐ可能性など、コーヒーに含まれるカフェインやポリフェノールを中心にとした成分による効果が注目されています。
中でも注目すべきは、脳梗塞などの「脳卒中の予防」に効果的であるという点でしょう。
2015年5月に、国立がん研究センター予防研究グループは、コーヒーを習慣的に飲む人は心臓病や脳卒中、呼吸器疾患による死亡リスクが低下するという結果を報告しました。
同研究では、国内の45~74歳で循環器疾患、がんの既往のない方約8万人を対象として調査が行われ、脳梗塞の発症リスクを比較しました。
その結果、コーヒーを飲む習慣のある人は、全く飲まない人に比べて脳梗塞の発症リスクが減少していたのです。
海外ではさらに大規模な調査が行われ、約40万人を対象とした研究で、コーヒー摂取は脳卒中の死亡リスクを下げる報告がなされました。
ちなみにコーヒーの摂取量ごとに同リスクを比較した研究もあり、それによれば一日3~4杯程度のコーヒー摂取が最も脳卒中のリスクを低下させるという結果が得られたそうです。
食後の「アフターコーヒー」はずっと以前から定着している食習慣の一つでもありますが、そこにはきちんとした医学的なエビデンスが存在していたということ。
毎日適量に飲むことで脳卒中の予防に役立てましょう。

身体の新常識 第1話 高血圧には「減塩」よりも「減糖」が効果的
歳をとるごとに心配になる高血圧。高血圧の基準は135/85Hg以上と定義されています。
その数値が高いと知ったとき、皆さんはきっと、「まずい!塩分を控えないと・・・」
と考えるのではないでしょうか。
もちろん、それは誤りでありません。
塩分に含まれるナトリウムを過剰に摂ると、血液の濃度が高くなるため、浸透圧を一定に保とうとする働きによって血液中に水分が増えていきます。
体内への水分の蓄積が促され、血液量が増えることで血圧が上昇するわけです。
つまり、塩分と血圧には深い関係があるというのが一般的な常識です。
ところが近年、塩分よりも「糖」の方が高血圧を促す作用が大きいのでは?
という研究報告が相次ぐようになりました。
さまざまな基礎実験や臨床研究から、砂糖に含まれている「果糖(フルクトース)」が高血圧の重要な原因であることが指摘されているのです。
具体的には、果糖が十二指腸と腎臓の尿細管に作用して塩素とナトリウムの吸収を促し、浸透圧を上昇させるから。
加えて果糖にも交感神経を興奮させてしまい、血圧を上げるホルモンの分泌を促してしまう効果もあります。
つまり、いくら塩分を控える食生活しても、代わりに糖分をたくさん摂っていては本末転倒ということ。
塩分もダメ! その上糖分も・・・じゃあ、何を食べればいいの?
そんなふうに思って仕方がないかもしれませんが、まずは<高血圧=過剰な塩分>という認識を変えて、塩分も糖分も適量を摂る食生活に改善していきましょう。

冷え性の原因、実は・・・「内臓型冷え性」かも?
疲れやすい、だるいといった倦怠感、便秘や下痢などのお腹の不調。その原因は「内臓の冷え」かもしれません。
どんな人がなりやすい?
以前は体力のない、やせ型の人に多く見られましたが、近年では食生活の変化の影響で、体格のよい人にも多く見られるようになっています。
ついつい手早く簡単に食べられるコンビニのおにぎり、麺類だけで食事をすませたり、清涼飲料水や甘いお菓子を毎日とってしまったりしていませんか?
不要な糖分を摂りすぎると腸の筋肉は弱まり、機能が低下します。
・冷たい食べ物・飲み物を頻繁に摂っている
・運動不足気味
・薄着や身体を締め付ける衣服を着ている
・デスクワークなどで1日座っている事が多い
・ストレスと疲労が溜まっている
・湯船には浸からずシャワーだけで済ます事が多い
・栄養バランスの整った食事ができていない
内臓型冷え性の症状
●起床時、脇よりもお腹の温度が低い
朝起きたばかりのタイミングは、脇もお腹も同じ体温なのが一般的です。
そのため、脇よりお腹の方が冷たく温度が低いと感じる場合は内臓が冷えています。
●下腹部を触るとひんやりする
お腹に手をあてて、下腹部を触ったときにひんやり感があると内蔵型冷え性の症状です。薄着でも肌寒い環境でもないのにお腹が冷たいのは内臓の冷えが原因になります。
●疲労が溜まりやすく、風邪をひくことが多い
内臓が冷えていると、エネルギーを作り出す筋肉の収縮運動が落ち、健康を保つための熱を全身へ届けられません。そのため胃腸・内蔵の働きが悪くなるため、体調不良を引き起こしやすくなります。
●入浴時、湯船が熱く感じる
内臓が冷え、体温が引くとぬるめの温度にしても浴槽のお湯が熱く感じます。
●便秘や下痢になりやすい
腸内環境の乱れや機能低下などを引き起こします。結果、腸が動かなくなり慢性的な便秘や下痢といった便通異常を引き起こします。
内臓型冷え性の改善策
・適度な運動やストレッチで、身体を温め血液の流れをスムーズにする。
・冷たい飲み物や食べ物を控え、身体を温める食べ物を食べる。
お腹を温める事で改善できます
●代謝UP
身体の中心が温められることで熱エネルギーがしっかり作られます。血流の流れが良くなり、全身へ栄養が行き届くようになります。
●疲労回復
内臓が冷え、体温が低い状態が続くと体力が落ちて疲労がなかなか回復されません。内臓がポカポカと温まれば血液が行き渡るようになり体が元気になり疲れもとれやすくなります。
●免疫力UP
お腹を温めて体温をキープするとウイルスや病原菌と戦ってくれる免疫力の活動量を上がります。
外側からお腹を温めるおすすめアイテム
・お腹から腰まですっぽり覆うことができる腹巻
・厚手の服を着た上から、おへその上にカイロを貼る
内臓の冷えは、生活習慣の乱れが大きな原因になります。
まずは、生活習慣を見直し、適度な運動やストレッチをし、お腹を温めて、内臓を冷やさないようにしましょう。
それでも冷えが改善されない場合は、鍼灸院にご相談下さい。

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