中医学の教科書 第11話 脾は運化・昇清作用 パート2
?? 昇清──気を上へと導く力
昇清とは、脾が生成した精微な栄養を、肺や心、頭部へと上昇させる働きです。
この「清(せい)」が上がることで、気血が全身に行き渡り、精神活動も安定します。
また、昇清には内臓を正しい位置に保つ“昇提(しょうてい)”作用も含まれます。
脾の昇清が弱まると、胃下垂、脱肛、子宮下垂などの「内臓下垂」や、めまい、集中力の低下、慢性疲労などが現れます。
鍼灸では、脾気を補い、昇清を助けるツボを用います。
? 百会(ひゃくえ):
気を上げ、意識を明瞭にする。
? 気海(きかい)・関元(かんげん):
元気を補い、脾の昇提を支える。
? 章門(しょうもん):
脾の募穴。脾気の調整に重要。
? 養生の知恵──脾をいたわる暮らし
脾は「湿を嫌い、乾を好む」とされ、梅雨や秋の長雨、甘いものの摂りすぎは脾の働きを弱めます。
脾を守るには:
? 温かく消化のよい食事(お粥、蒸し野菜、味噌汁など)
? 甘味の節制(特に冷たい甘味)
? 朝食をしっかり摂る
? 適度な運動と規則正しい生活
これらが、脾の運化・昇清を助け、心身の活力を支えてくれます。
脾は、食を命に変え、気を上へと導く静かな力。
その働きが整えば、身体は軽やかに、心は晴れやかに日々を過ごせます。
鍼灸は、その静かな力に寄り添い、命のめぐりを整える術。
一針一息の中に、食と気の調和が息づいています。










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