中医学の教科書 第10話 脾は運化・昇清作用 パート1

2025年12月25日

?「脾は運化・昇清をつかさどる」──命を養い、気を上げる静かな力

 私たちが日々口にする食事は、単なる栄養補給ではありません。
 それは、身体をつくり、心を支え、命を巡らせる“いのちの源”。
この食物を受け取り、必要なものに変え、全身に届ける──その中心にあるのが「脾(ひ)」です。
 東洋医学では、脾は「後天の本」「気血生化の源」と呼ばれ、生命活動の根幹を支える臓腑とされています。
 その働きは主に、**運化(うんか)と昇清(しょうせい)**という二つの作用に集約されます。

? 運化──食を“命”に変える力

 運化とは、飲食物を消化・吸収し、身体に必要な「水穀の精微(すいこくのせいび)」へと変化させる働きです。
 この精微は、気・血・津液の材料となり、全身を潤し、動かします。
 脾の運化が健やかであれば、食欲は安定し、四肢に力がみなぎり、肌肉は引き締まり、心も軽やかに保たれます。
 逆に運化が滞ると、食欲不振、腹部膨満、倦怠感、下痢、むくみなどの不調が現れます。

鍼灸では、脾経や胃経の経穴を用いて、運化の力を高めます。

? 中?(ちゅうかん):胃脾の中心を整え、消化力を高める。
? 足三里(あしさんり):気血を補い、胃腸の働きを活性化。
? 脾兪(ひゆ):脾の基本的な働きを支える背部の要穴。
?Gg[???ubN}[N??