中医学の教科書 第7話 心は血をつかさどる パート1

2025年12月8日

??「心は血をつかさどる」──命をめぐらせ、心を宿す器

  私たちの身体をめぐる「血(けつ)」は、単なる栄養や酸素の運搬物ではありません。
 東洋医学では、血は生命の潤いであり、精神(神)を養う源とされています。
 その血を生み出し、全身に巡らせる中心的な存在──それが「心(しん)」です。

? 血脈を主る──心が命をめぐらせる

 「心は血脈を主る」とは、心が血を生成し、血管(血脈)を通じて全身に巡らせる働きを担っているという意味です。
 脾胃で作られた水穀の精微は、肺を経て心に入り、心の“火”によって赤く染まり、血となって全身を潤します。
 この働きが健やかであれば、顔色は明るく、肌や髪に艶があり、脈はしなやかに打ち、心も穏やかに保たれます。
 逆に心の血が不足すると、動悸、不眠、顔色のくすみ、集中力の低下など、身体と精神の両面に不調が現れます。

? 鍼灸で心血を養う

鍼灸では、心の血を補い、巡らせるために、心経や心包経、脾経などの経穴を活用します。

? 神門(しんもん):心の安定を助け、不眠や不安感に。
? 心兪(しんゆ):背部にある心の要穴。心血の巡りを整え
          る。
? ?中(だんちゅう):胸の中心に位置し、気血の調和を
           促す。
? 三陰交(さんいんこう):脾・肝・腎を調え、血の生成を
             助ける。

 これらのツボは、心の血を養い、神(しん)を安んじるための“静かな処方”です。
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