身体の新常識 第51話 経穴(ツボ)とは

2025年5月16日

 「北斗の拳」でケンシロウが優しく秘孔を突くと、死を迎えたり、痛みが消失したり、
病が治ったりします。
 これぞ東洋の神秘?いや、身体の不調を改善する経穴(ツボ)刺激は奇跡でも魔法でもありません。
その効果の根拠はある程度、科学的に証明されています。

 ひとつは血流アップという作用
 たとえば「肩こり」改善に有効な「肩井」という経穴(ツボ)があります。
このツボを刺激すると、ツボの周囲の血管が拡張して血流量が増します。
 肩こりの原因のひとつは血流が滞り、筋肉が凝り固まって痛みの元になる発痛物質が留まってしまうからです。
ツボ刺激で血流が改善されることで発痛物質は押し流され、筋肉がほぐれるのです。
その結果、肩こりの症状が軽減されるのです。
 これが、いわゆる局所性の効果と呼ばれるものです。
肩や腰など効かせたい場所の近くにあるツボにはこうした作用が期待できます。

 ツボの刺激によって得られる効果はシンプルな局所性のものばかりではありません。
もうひとつ、中枢性の効果も期待できます。
 たとえば、手にある「合谷」というツボ。
このツボは万能ツボとして有名で、主に上半身の痛みや全般の軽減効果があります。
 実際に「合谷」を刺激した時の脳の状態をMRIで調べると、手のツボを刺激したはずなのにどういうわけか脳の血流が増すことが判明されました。
 刺激した部位の周辺の血流が増すだけでなく、痛みを感じる脳という中枢の血流もアップするのです。
この時脳内で痛みを和らげる鎮痛物質が分泌されていることが明らかにされています。
 これが、ツボ刺激の中枢性の効果です。
世界が注目せざるを得ないわけです。

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