人はお互い様
私は倫理歴10年近くになり、2年間には「富士研」で研修を受け、本来ならば、人として模範になるはずであるべきですが、まるきりダメな人で、人様に頼り切っている状態です。
つい先日には、この会場にMS終了後、カバンを忘れるは、銀行にいけば、カードを忘れ、周囲の人たちに迷惑をかけるは、整理整頓ができなく、常にものを探し時間を無駄にしている毎日です。
でも、この世に生まれ、現在までこられたのは、両親はじめとして周囲の人仲間たちの支え、教えがあったからです。
治療家と患者様の関係も支えあいなのです。
毎日の治療で、私は患者さんを支えようとしながら自分が支えられていることを痛感しています。
そのキーワドは「お荷物感」と「役に立ちたいという願い」です。
両親はじめ多くの仲間に助けてもらって生活し、患者さんに助けてもらって仕事をしている日々の中、「お荷物感」が心の中でむくむくと膨らんでいきます。
私がいない方が仲間たちは楽なんじゃないか、
私が不自由なため仲間に負担をかけているのではと「お荷物感」が強まってくるとそんなことを考えてしまうのです。
それに張り合うのが「誰かの役に立ちたいと願い」
誰かの役に立つことが出来れば、自分はお荷物じゃないと思える。
だから鍼灸師という仕事は、私自身の心を支えていてくれているのです。
「私は人を治すんだ。自分が生きるために」
「たくさん迷惑をかけたけど、ちょっと役に立ったかなと思える人生を」私は生きたいと思うのです。
支えながら支えられ、癒していたら癒されて、そんなお互い様の治療家をめざしていけたら。
支えあいはとても人間らしい営みです。
「ありがとうございました」
そう言って治療場を出ていく患者さんに、私はこう返すようにしています。
「こちらこそありがとうございました」
そのうちこっちもお金を払わなくちゃいけなくなるんじゃないかな。

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