身体の新常識 第28話 かかりつけ医を持たなければいけない

2025年1月15日

 かかりつけ医を持つ人が増えてきました。かかりつけ医とは、病気になった時や健康に不安があるときに、すぐに相談できる一番身近なお医者さんのことです。一般的な治療を行う地域のクリニックや診療所、一般病院を言います。

 国や日本医師会では、かかりつけ医を次のように定義しています。
「健康に関することを何でも相談できるうえ、最新の医療情報を熟知して、必要な時には専門医、専門医療機関を紹介でき、身近で頼りになる地域医療、保健、福祉を担う総合的な能力を有する医師」

 つまり、単に病気の診療をするだけでなく、地域の保健や福祉を担う総合的な能力を有することが求められているのです。
特に高齢者が患者の場合は、医療と介護の連携が不可欠なため、地域に根差したかかりつけ医の存在はとても重要視されています。

1.病気や健康問題を気軽に相談できる
 かかりつけ医は病気や症状に関する全般的な知識を備える努力をしていますので、専門分野にかかわらずさまざまな健康問題について相談できます。
 例えば、将来の胃ろうの心配や延命処置のことなど、高齢者が不安に思っていることも相談に応じてくれます。

2.的確な診断を受けられる
 患者の心身の状態、病歴、生活習慣などを踏まえた診療を継続的に行いますので、異変があれば素早い対応が期待できます。
 大きな病院では予約が必要な検査も、場合によっては、すぐにしてもらえることがあります。
 また、離れて暮らす家族が見逃しがちな認知症の初期症状にも気付いてくれる可能性が高いのです。

3.高度な医療機関との連携がスムーズに行える
 専門的な治療が必要と判断されるときは、紹介状とともに適切な医療機関につなげてくれます。
 患者や家族が病院を探すよりも、効率よく適切な医療機関につながりやすいでしょう。
 また、専門医からの診断結果や治療内容もかかりつけ医にフィードバックされます。

4.「主治医の意見書」や指示書を書いてくれる
 要介護認定を申請する際に必要な「主治医意見書」を書いてくれます。
 かかりつけ医がいないと、市区長村が指定する医師の診察を受けなければなりません。その場合は1回だけの診察で正確な意見書を書いてくれるかどうかの不安が残ります。
 また、介護が始まってからも、必要に応じて意見書や指示書を作成してくれます。

5.ケアマネジャーと連携してくれる
 かかりつけ医は、ケアマネジャーや地域包括支援センターと連携します。そして、医療の情報をケアプランに、介護の情報を意見書作成や治療方針にそれぞれ反映してくれます。
 なお、ケアマネジャーは利用者及びかかりつけ医の同意のもとで主治医意見書を市区町村に開示を求めることができます。

6.在宅の看取りにつなげてくれる
 かかりつけ医自身が在宅医療を行っている場合は、そのまま看取りまで担当してくれるでしょう。
 看取りまでかかわらない医師の場合も、いずれ訪れる終末期の相談に応じて、ケアマネジャーや在宅療養サービスの人たちと検討し、訪問医を中心とした看取りチームにつないでくれると思います。

7.死亡診断書を書いてくれる
 自宅で死亡したときは、不審な点がなければかかりつけ医が死亡診断書を書いてくれます。書いてくれる医師がいないと、警察が呼ばれて検死を受けることになります。

?Gg[???ubN}[N??