2024年10月
身体の新常識 第16話 手足のしびれ
? 手足の痛み・シビレ・つっぱりの原因は、神経の圧迫が原因であると言われています。しかし、神経の圧迫があっても痛み・シビレ・つっぱりの症状が出ない方もいます。
つまり、痛み・シビレ・つっぱりの根本的な原因は、あなたの「身体の内側」にあると考えています。
具体的には、・・・・
o 手足の痛み・シビレ・つっぱりは、漢方(鍼灸)では淤血(おけつ)と言われる病態が原因であると
考えています。
淤血とは、一言で言いますと、血行障害です。
o 淤血を、もう少し詳しく説明いたしますと、・・・・
?冷え・湿気などが身体に悪影響を与える。
?その影響が、後縦靭帯およびその周囲に及ぶと、腰で局部的な炎症が発生する。
?炎症が発生した結果、血流が悪くなってしまう。
?血流の悪化は、血流を「川の流れ」に例えれば、その流れに「澱(よど)み」を発生させる。
この、「血液の流れの澱み」を、漢方(鍼灸)では淤血(おけつ)と呼んでいます。
o 淤血が発生して、血行不良が起きれば、新鮮な酸素や栄養が不足してしまいます。
酸素と栄養の不足は、神経とその周囲の組織に対して、「このままでは細胞が死んでしまう」という状況を
引き起こします。
o そのため、神経及びその周囲の組織は、痛みと痛み・シビレ・つっぱりという
「緊急警報」とでも言うサインを出すのです。
?つまり、・・・・・
o 冷え・湿気などが身体に悪影響を与える。
o その結果、淤血が発生する。
o 淤血は、血行不良を引き起こす。血行不良は、酸素や栄養の供給不足を引き起こす。
o そのため、神経及びその周囲の組織は、痛み・シビレ・つっぱりという「緊急警報」とでも言う
サインを出す。
あなたの「身体の内側」で以上のことが起きているのが、痛み・シビレ・つっぱりの根本的な原因であると、漢方(鍼灸)では考えています。
o「血液の流れに澱み」が発生した結果、その「淀んでいる血液」は、本来の血液としての働きが
出来なくなってしまいます(例えて言えば「澱んでいる血液」は「腐ってしまう」)。
o その結果、新鮮な血液の不足を引き起こしてしまいます(漢方鍼灸では、
この状態を「気血不足(きけつふそく)」の状態と呼んでいます)。
?したがって、漢方薬による痛み・シビレ・つっぱりの治療法は、・・・・
o 冷え・湿気などにより被害を受けた身体を立て直す。
o 神経及びその周囲の組織に発生してしまった淤血を取り除く。
o 症状が長引いている(半年以上)の方の場合は、「新鮮な血液の不足」を解決するために、
それを補ってやる(漢方鍼灸では、この働きを「気血双補(きけつそうほ)」と呼んでいます)。
以上働きをする漢方薬・鍼灸施術することで、痛み・シビレ・つっぱりを、その根本的な原因から治してゆくことが出来ます。
身体の新常識 第15話 肥満の大敵、内臓脂肪は皮下脂肪よりも落としやすい
多くの人が邪魔者扱いにしそうな「体脂肪」。ひとくちに脂肪といっても、体脂肪と呼ばれるものには「皮下脂肪」と「内臓脂肪」の2種類があります。
皮下脂肪はその名のとおり、皮膚のすぐ下につく脂肪で、下腹部や太もも、お尻の周りなどで、指でつまむことができます。
一方、内臓脂肪は、お腹の中の小腸に包み支えている腸間膜や内臓の周りにつく脂肪。
いわゆるポッコリお腹の原因となるのが内臓脂肪で、ウエストの周囲が男性で85cm以上、女性は90cm以上であれば内臓脂肪が蓄積していると判断されるのが一般的です。
内臓脂肪は直接見ることが出来ず、「ついちゃうとなんだか厄介」と感じがちだと思います。
もちろん、内臓脂肪は蓄積するとさまざまな代謝異常を引き起こし、糖尿病や高血圧、脳梗塞といった生活習慣病を引き起こしやすくなるため要注意です。
ただし、内臓脂肪は皮下脂肪よりも落としやすい脂肪であることが近年わかってきました。
つまりは食習慣と運動習慣を見直すことで、短期間で落とすことが可能です。
具体的には、糖質や脂質を適度に減らし、タンパク質・オメガ3系脂肪酸・食物繊維の摂取を増やす食事にしていくこと。
そして脂肪燃焼に効果的な有酸素運動を習慣にすることです。ウォーキングやジョギング、
水泳などで軽度から中度の負荷をかけて身体を動かすことで、内臓脂肪が消費されていきます。
見た目はそれほど太っていなくても、お腹だけポッコリ出ている人は内臓脂肪が溜まっている人の典型的な体型です。ぜひ注意してください。
身体の新常識 第14話 「小太り」は実は長生きできる体型だった
BMIとは肥満度を表す指標として、国際的に用いられている体格指数のことで、体重(㎏)÷身長(m)の2乗 で求められます。
世界保健機構(WHO)ではBMI25以上を過体重、30以上を肥満とし、日本肥満学会のきじゅんでは18.5未満が「低体重」、18.5~25が「普通体重」、25以上が「肥満」との位置づけです。
加えて、BMIが22になるときの体重が標準体重で、最も病気になりにくい状態であるとしています。
一方近年、国立がん研究センターが日本人35万人以上を対象とした研究によると、実はそうとも言えないことがデーターで示されました。
日本人の寿命、つまり死亡率をみると、男性であればBMI18.9以下の死亡率が高く、死亡率が低いのは25.0~26.9のグループだったのです。
女性は14.0~18.9の支死亡率が最も高く、23.0~26.9のグループが最も死亡率が低いのです。
つまり、それぞれの筋肉の付き方によりますが、一般的に「小太り」といえるような人が最も寿命が長くできるということ。
痩せすぎよりも、適度に「小太り」や「ぽっちゃり」のほうが、見た目も実際に健康的といえるということのようです。
10月診療・休診のお知らせ
10月の診療・休診のお知らせ秋の声が聞こえる美しい季節が到来しました。
ますますご清栄のこととお喜び申し上げます。 さて、10月は下記の要綱で診療・休診させて頂きます。
10月14日(月)スポーツの日
通常通り診療します。
24日(木)~26日(土)
臨時休診
小児鍼
9月29日、高橋日出子先生による「小児鍼」のテーマで講義実技をしていただきました。「小児鍼」は、皮膚への心地良い刺激で、全身の血流を良くし、身体をリラックスさせます。
リラックスすると情緒が安定し、夜もぐっすり寝るようになります。
成長ホルモンの分泌も促されます。
「小児鍼」は、現代の科学で検証されつつある皮膚上のツボや経絡を刺激し、
脳や内臓の働きを良くして、身体や心の成長発達を助けます。
身体の新常識 第13話 糖質制限でのご飯抜きダイエットは危険
今や空前の「糖質制限」ブームかもしれません。「糖質オフ」「糖質ゼロ」と銘打った商品がズラリと軒を並べ、TVや雑誌、書籍でも糖質を割るものにした企画が目白押しです。
でも、ちょっと待ってください。糖質って、そんなに「悪」なの?
という疑問がわいてきませんか?
確かにこれまでの日常生活を振り返ると、ご飯を食べてパンを食べて、麺類を食べて。
間食をしちぇ、果物を食べてと、糖質にちょっと偏りすぎの食生活に心当たりのある人は多いでしょう。
けれども、糖質つまり炭水化物を摂って身体にある程度の脂肪を蓄えるのは、実は大切なこと。
というのも身体を温め、病気になりにくい体質にしていくために不可欠な「筋肉」をつくるためにも、脂肪の果たす役割には大きなものがあるからです。
たとえば、「ご飯を抜く」という糖質制限を続けた時、いくら筋トレをしても筋肉が増えなくなるということは少なくありません。
これは、糖質制限をすると「糖新生」という身体の作用によって、筋肉を分解してエネルギーに変えていくことを始めてしまうから。
糖質を摂らないことで脂肪が蓄えられなくなり、身体のエネルギー源として「筋肉」を当てにするようになってしまうからです。
体温を程よく上げて一定に保つために、筋肉の量を維持することはとても大切です。
糖質をことさら悪者にするのでなく、代謝を上げて健康な状態を保つためにも、程よく糖質を摂っていく生活に心がけましょう。
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