新身體常識 第 11 集 體質思考:“高脂血症” (血脂異常)

2024在 8 月 22 日。

  食べすぎなどによる過剰な脂質の摂取や、運動不足などにより血液中の脂質が多くなると、余分な脂質が血管壁に取り込まれ、血管を傷つけることで「動脈硬化」が生じます。
脂質異常症では自覚症状がほぼないため、大半は血液検査で発見されます。
ほとんどの人の場合、「高脂血症」が進んでもそれだけでは何の症状も起こりません。
放置すると心筋梗塞や狭心症、脳梗塞などの循環器疾患に繋がるため、早期発見・早期治療を心がけることが大切です。症状が起き、高脂血症や動脈硬化が進んでいたと分かったときにはもう遅いというケースが大変多いのです。

 脂質異常症では、食事療法や運動療法により生活習慣の改善をはかります。
禁酒、禁煙、体重のコントロールを3本柱に、食生活、ライフスタイルの改善が何より重要となります。
食事療法や運動療法を組み合わせても脂質異常症が改善しない場合、内服薬での治療が必要になってきます。
その場合、HMG-CoA還元酵素阻害薬、スタチン系薬、陰イオン交換樹脂、小腸コレステロールトランスポーター阻害薬、フィブラート系薬、EPA製剤といった薬が用いられます。

 中医学では、血管壁にドロドロとした血脂がたまった結果、老廃物が滞る“痰湿(たんしつ)“と、血行不良の状態である“?(おけつ)が絡んでいるものと考えています。
 また、脂質異常症の発症には、肥満や加齢、ストレスなどが関係しており、“肝(かん)”、“脾()”、“腎(晉語)”の臓腑も深く関係しています。

肝かん   自律神経を司り、血(けつ)を貯蔵したり気血を巡らせるところで、
     ストレスなどにより働きが悪くなると、血行不良の状態である?血の状態を
     生み出します。
脾ひ    飲食物の消化、吸収、代謝および栄養物質の生成をするところで、
     脂っこく味の濃いものを過食したり、胃腸虚弱で代謝がうまくできないと
     老廃物である痰湿を生みます。

腎じん   人体を構成する基本物質である生命エネルギーの“精(せい)”を
     貯蔵することで、成長、発育、老化、生殖、水分代謝を司ります。
     腎の働きが悪くなると水分の排出がうまくいかず、老廃物である痰湿を
     生み出します。

 鍼灸治療では、その体質に対処するツボを適切に選定しアプローチしていくことで症状の軽減、緩和を目的としていきます。
 ツボを刺激することで臓腑の働きを調整するとともに、血流や水分代謝の改善を促します。
 脂質異常症(高脂血症)で使う代表的なツボ
足三里(あしさんり)、豊隆(ほうりゅう)、関元(かんげん)、太衝(たいしょう)等。

暮らしのアドバイス

・動物性の脂肪を減らし、魚に含まれる多価飽和脂肪酸を積極的にとりましょう
・清涼飲料水や菓子類は控えましょう
・1日15分以上の有酸素運動を行いましょう
・喫煙は控えましょう
・ ストレスを上手に発散しましょう

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