2024年July
The New Common Sense of the Body Episode 4 Polyphenols in coffee can prevent cerebral infarction
コーヒーには近年、さまざまな健康効果が報告されています。糖尿病や認知症の予防や肥満防止、または大腸がんや肝臓がんを防ぐ可能性など、コーヒーに含まれるカフェインやポリフェノールを中心にとした成分による効果が注目されています。
中でも注目すべきは、脳梗塞などの「脳卒中の予防」に効果的であるという点でしょう。
2015年5月に、国立がん研究センター予防研究グループは、コーヒーを習慣的に飲む人は心臓病や脳卒中、呼吸器疾患による死亡リスクが低下するという結果を報告しました。
同研究では、国内の45~74歳で循環器疾患、がんの既往のない方約8万人を対象として調査が行われ、脳梗塞の発症リスクを比較しました。
その結果、コーヒーを飲む習慣のある人は、全く飲まない人に比べて脳梗塞の発症リスクが減少していたのです。
海外ではさらに大規模な調査が行われ、約40万人を対象とした研究で、コーヒー摂取は脳卒中の死亡リスクを下げる報告がなされました。
ちなみにコーヒーの摂取量ごとに同リスクを比較した研究もあり、それによれば一日3~4杯程度のコーヒー摂取が最も脳卒中のリスクを低下させるという結果が得られたそうです。
食後の「アフターコーヒー」はずっと以前から定着している食習慣の一つでもありますが、そこにはきちんとした医学的なエビデンスが存在していたということ。
毎日適量に飲むことで脳卒中の予防に役立てましょう。

The New Common Sense of the Body Episode 3 Stroke and Chinese Medicine (Acupuncture)
中医学では、脳は奇恒(きこう)の腑のひとつに位置づけられており、その機能は臓腑の心(しん)・肝(かん)・腎(じん)の総合的な作用により行われていると捉えています。
脳の発達や機能維持は「髄を生じ、脳に通じる」腎との関わりが深く、脳の人間らしい高次の精神活動は「神志(しんし)をつかさどる」心と関連しており、脳の情緒活動や自律神経系は「疏泄(そせつ)をつかさどる」肝と関係しています。脳梗塞は、これら心・肝・腎の機能失調と深く関係しています。
なお奇恒の腑とは、中空である点では腑のようですが、精気を蔵するという点では臓のような存在なので、五臓にも六腑にも入れるわけにいかず、奇恒(いつもどおりではない、の意)と呼ばれています。
また痰飲(たんいん)、血?(けつお)、気虚、内風などの病邪の存在も、脳の機能障害を生じます。
たとえば痰飲は円滑な脳の機能の妨げとなり、血?は血流障害の引き金となります。
気虚は脳の機能を低下させます。
内風は、脳の機能を乱します。
現代医学的には脳梗塞は脳血管障害のひとつですが、中医学的には上記のように臓腑機能失調や病邪の存在を背景に生じる疾患です。
したがって、これらの臓腑機能の安定や病邪の除去は、脳梗塞の予防にもなります。
なぜなら心・肝・腎が安定して機能し、病邪が存在していなければ、脳の機能も安定し、脳に余分な負担もかからないからです。

The New Common Sense of the Body Episode 2 High Blood Pressure and Chinese Medicine (Acupuncture)
漢方(鍼灸)では、高血圧の原因の多くは、血行不良による血の汚れ、また血液を送り出す『心』の失調や心との影響の深い『肝』や『腎』の機能低下や乱れなどによると考えます。もちろん、生活習慣が大きく影響する高血圧。塩分やコレステロールの高い食生活や肥満、運動不足、喫煙、ストレスなどのリスク要因を見直し、生活習慣を改善することは基本です。さらに漢方薬で、高血圧になりにくい体質づくりをしていきます。
高血圧に用いる漢方(鍼灸)は、血流を良くする、肥満を改善する、自律神経を安定させる、のぼせなどの熱症状をとる、などの作用により血圧を正常にしていくものです。
血圧そのものを下げる降圧剤とはここが大きく異なります。
このため、同じ高血圧と診断されても、漢方(鍼灸)では個々の体質によって薬の種類や施術方法が変わってきます。
実際の漢方(鍼灸)相談で多い高血圧のタイプは『?血(おけつ)』『肝火(かんか)』『陰虚(いんきょ)』です。
『?血(おけつ)』 毛細血管が血行不良を起こした『?血(おけつ)』の高血圧
『肝火(かんか)』 自律神経の乱れで気が上逆した『肝火(かんか)』の高血圧
『陰虚(いんきょ)』 加齢でからだが消耗した『陰虚(いんきょ)』の高血圧
鍼灸治療では、ツボを刺激することで臓腑の働きを助け、血流や水分代謝の改善を促します。
また、肩こりや首のこりが強い場合、頭部への血流障害や自律神経の働きにも影響するため、首や肩の凝りに対するアプローチも同時に行い、自律神経の働きを整えます。

Visiting the Scattered Acupuncture Needles
For the first time in four Buri, an academic seminar sponsored by the Aichi Prefecture Acupuncture and Moxibustion Association was held, and I participated.A lecture by Dr. Wangji Minamitani focusing on the practical skills of "scattering acupuncture". The "scattering acupuncture" that does not penetrate by flowing fingers allows model patients to receive treatment comfortably, and pain and joint range of motion are improved on the spot.
Above all, I felt that the immense sense of security caused by Dr. Minamitani's gentle personality enhanced the therapeutic effect.
Even though he is a well-known clinician, I was impressed by his humble attitude of "continuing to ask for scattered acupuncture."

The new normal of the body Episode 1 "Reduced sugar" is more effective than "reduced salt" for high blood pressure
歳をとるごとに心配になる高血圧。高血圧の基準は135/85Hg以上と定義されています。
その数値が高いと知ったとき、皆さんはきっと、「まずい!塩分を控えないと・・・」
と考えるのではないでしょうか。
もちろん、それは誤りでありません。
塩分に含まれるナトリウムを過剰に摂ると、血液の濃度が高くなるため、浸透圧を一定に保とうとする働きによって血液中に水分が増えていきます。
体内への水分の蓄積が促され、血液量が増えることで血圧が上昇するわけです。
つまり、塩分と血圧には深い関係があるというのが一般的な常識です。
ところが近年、塩分よりも「糖」の方が高血圧を促す作用が大きいのでは?
という研究報告が相次ぐようになりました。
さまざまな基礎実験や臨床研究から、砂糖に含まれている「果糖(フルクトース)」が高血圧の重要な原因であることが指摘されているのです。
具体的には、果糖が十二指腸と腎臓の尿細管に作用して塩素とナトリウムの吸収を促し、浸透圧を上昇させるから。
加えて果糖にも交感神経を興奮させてしまい、血圧を上げるホルモンの分泌を促してしまう効果もあります。
つまり、いくら塩分を控える食生活しても、代わりに糖分をたくさん摂っていては本末転倒ということ。
塩分もダメ! その上糖分も・・・じゃあ、何を食べればいいの?
そんなふうに思って仕方がないかもしれませんが、まずは<高血圧=過剰な塩分>という認識を変えて、塩分も糖分も適量を摂る食生活に改善していきましょう。

Life in Kampo Episode 107 Let's review lifestyle habits and boost natural immunity
免疫細胞は、血管とリンパ液に乗って常に、身体中を巡って敵を攻撃しながらパトロールしています。免疫細胞の働きを低下させる生活習慣は、喫煙、過度な飲酒、寝不足、過労などです。
新型コロナで命を落とした人は、免疫力の衰えた高齢者や糖尿病などの生活習慣病を抱えている人も多いです。
血や水を運ぶ気のエネルギーが低下した"Void"の人、栄養不足で"Blood Void"になっている方、ストレスで"Stagnation"が起こっている方、気や血が渋滞して必要な栄養を臓器まで運ぶことができない「水毒」「?Blood"の方などは免疫細胞の働きが悪くなります。
これを一つ食べれば免疫を強くする!!
という食品はありません。
春夏秋冬、それぞれの季節に起こりやすい体調の変化、それに伴う体質の変化に対応しなければなりません。
そしてそれぞれに対して生活の知恵、食材、ちょい足し漢方、鍼灸施術が大切です。
食事を含めた毎日の生活習慣を見直して元気を維持することこそが、自然免疫を強くする大切な要件になるのです。

Life in Kampo Episode 106: The Struggle Between Innate Immunity and the Natural World
In winter, it is mainly affected by cold and aging, in spring it is due to stress and lack of blood, in the rainy season it is affected by muddy blood and water circulation, in summer it is affected by a decrease in qi energy, and in autumn it is due to a decrease in defense power."Innate immunity"There are a lot of factors that can lower it.You can't change the changes in nature.
For thousands of years, human beings have experienced the calamities that occur in spring, summer, autumn, and winter."Innate immunity"I overcame it and survived.
The basic theory of Chinese medicine starts from the idea that human beings are just one organism in nature.
It is not about overcoming the inevitable nature, but about the wisdom and ingenuity of living according to each season.
It is the result of more than 2000 years of life.
From the perspective of Kampo, please refer to the relationship between the disorders that are likely to occur in each season and immunity, the wisdom of life, and the regimen.

July/August: Notice of medical treatment and closure
目もくらむような真夏の日差しのパワーが、ますます皆様の発展の後押しをしていることと存じます。
さて、7・8月は下記の要綱で診療・休診させて頂きます。
7月15日(月) 海の日 平常通り診療
8月12日(月) 山の日 平常通り診療
7月30日(火)午後の診療 Closed
8月13日(火) Closed
14日(水) Closed
15日(木) 休診
まだしばらくは厳しい暑さが続くと思いますが、体調管理には充分気をつけてお過ごしください。

Life in Chinese Medicine Episode 105 Fighting with Innate Immunity
どのようなウイルスや細菌が攻めてきても、一番初めに最前線で働くのは"Innate immunity"Are.新型コロナウイルスのような事前に情報がない侵入者に対しては、"Innate immunity"を元気にしておく必要があります。
「自然免疫」は生まれた時から備わっているバリアで、皮膚や粘膜から病原体の侵入を防いでいます。
このバリアが突破されても、白血球の一種である「食細胞」が病原体を食べてくれます。
食細胞は全身に分布して、異物が入ると、数分から数時間で発動します。
この皮膚や粘膜のバリアによる"Innate immunity"and「食細胞」は常に身体中をパトロールして、病原体を撃退してくれているのです。
私たちの身体は"Five Organs and Six Organs"がワンチームで一丸となって、「免疫細胞」を作り出し、身体全体に巡らせてコロナと戦っているのです。
季節ごとに養生を心がけて、「自然免疫」の力を強くすることが大切です。
暑さ、寒さ、乾燥から五臓六腑を守る生活の工夫や食べ物、ちょい足し漢方、鍼灸を役立ててください。

Life in Kampo Episode 104 Innate Immunity and Acquired Immunity
免疫には2種類あります。ウイルスや細菌が入ってきたとき、それがどんなものであろうがやっつけに行く"Innate immunity"と、
以前の攻撃の特徴やパターンを覚えておいて、次に同じ敵が攻めてきたときに備える仕組み「獲得免疫」です。
例えば麻疹や水疱瘡などに一度かかれば、敵の攻撃の仕方を覚えているので「獲得免疫」が働きます。
この仕組みを応用したのが「ワクチン」Are.
例えばA型のインフルエンザが流行する前に「ワクチン」を接種し、「獲得免疫」をあらかじめ身体に植え付ければその年はA型のインフルエンザにはかからないということになります。
しかし、ウイルスも黙っていません。
最近は新型コロナのようなとんでもなく強い未知のウイルスが生まれてきています。
今後も、人間とウイルスや細菌の戦いは避けて通れない課題になるでしょう。

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