漢方の暮らし 第102話 陰陽のバランス

2024年6月24日

 地球上にあるすべてのものには「陰」と「陽」があると考え、人間のカラダの状態や治療または養生にも利用されるものです。

 例えば、季節で考えると、春から夏にかけては「陽」に向かっていきますが、夏から冬にかけては「陰」に向かっていきます。
人も「陰陽」に分けることができます。お腹は「陰」で背中は「陽」です。
お腹は影になるため「陰」に、背中は太陽の光があたるため「陽」になります。このように、「陰と陽」がうまくバランスを保って共存することによって健康を維持しています。

 陰がなければ、陽も存在しない。
 陰陽学説で考える「陰と陽」は常に強くなったり弱くなったりしています。
例えば、「陰」が強くなったら「陽」が「陰」をおさえ、逆に「陽」が強くなったら「陰」が「陽」をおさえることで、バランスを保っています。
陰には静という考えがあり、寒い・暗い・冷たいといったイメージ、陽には動という考えがあり、熱い・明るい・温かいといったイメージがあります。
決して「陽」が良いもので「陰」が悪いものではなく、「陰と陽」はお互いに対立するもので切り離すことができません。
よって、「陰」がなければ、「陽」も存在しないのです。

人間では、男性が「陽」で女性が「陰」
それでは具体的に「陰」と「陽」についてみていきましょう。
例えば、一日で考えると太陽が出ている間は「陽」になるので積極的に行動し、太陽が沈み暗くなると「陰」になるので、睡眠に備えてカラダを休めるといった考えがあります。
お昼まで寝ていたり、夜遅くまで起きていたりすると、カラダがだるくなったり不調になったりします。
この状態は「陰陽」のバランスが悪くなっているからだと考えられます。
健康な人は、「陰陽」のバランスがよく、病気になりにくい状態を維持できます。
一方、病気になる人は、「陰陽」のバランスが崩れており、病気になりやすいと考えます。

また、男女で考えると、男性が「陽」で女性が「陰」にあたります。
男性と女性がいなければ新しい命を生み出すことができません。
このように「陰と陽」は人間が生きていくためには大切な要素なのです。

 夏は活発に動くこと、冬は行動を控えること。
陰陽学説で考える“季節”もカラダの状態を判断したり、治療や養生に応用することができます。春から夏は「陽」の気が盛んになるため活発に行動するように、秋から冬にかけては「陰」の気が盛んになるため行動を控えるようにと考えています。
例えば、漢方には、夏の過ごし方は冬の病につながるという考え方があります。
これを「冬病夏治(とうびょうかち)」といいます。夏は、暑いからといって、冷たいアイスを食べすぎたり、クーラーの部屋に長くいるとカラダが冷え切ってしまい、冬に病気を起こしやすくなるという考えです。
夏の間は、「陽」の気をカラダにとりいれるために、活発に動くことが大切です。
 一方、冬は「陽」の気が少なくなるため、植物や動物と同じように、人も活動を控える季節です。
冬には、人が生きていくために必要な気を発散させないように、過度なダイエットをしたり、新しいことをはじめるなどといった行動は控えた方がいいでしょう。

 ただし、漢方では、あくまでもバランスが大切だと考えられています。
「陽」が盛んなときに動きすぎると「陰」を損傷しやすく、「陰」が盛んなときに行動を控えると「陽」を損傷しやすくなります。
漢方には「中庸」(ちゅうよう)という言葉があり、過不足なくほどほどにという考えがあります。
なにごともその人にとってちょうどよい状態を保つことが大切です。

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