漢方の暮らし 第96話 胆と肝

2024年5月25日

 「五臓」にはそれぞれに付随する「六腑」があります。
「肝の腑は胆です」肝と胆は経脈によって繋がり、表裏の関係にあります。
「胆」は現代医学でいう胆嚢の働き、つまり胆汁を分泌する作用の他に特別な働きがあります。
それは「決断を司る」という働きです。
 物事の判断や決定は「胆」の働きにより行われます。
「胆」が充実していれば物事に動じないでビクビクしたり、怯えることはありません。
 「胆の働き」がしっかりしている人は「胆が座っている」ひとです。
ストレス、過労、慢性病、老化などによって決断力が弱くなったり、ビクビクしやすくなったりするのは「胆」が弱っている証拠です。

 「肝と胆」の関係に、「謀慮」と「決断」があります。
「肝」は物事を深く考え計略を練る知恵と勇気を持つ将軍。
「胆」は公正かつ正確な判断で決行する官だということです。
首相と官僚の関係みたいなものでしょうか。

 肝も胆も解毒や胆汁の分泌といった解剖的な働き以外に、人の心や考え、感情などの部分に関係することを昔の人は感じとっていたのです。

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