2024年1月
漢方の暮らし 第71話 食べ物には季節と色があります。
「陰陽五行説」では、それぞれの臓器には季節と色と味があるとされています。食べ物にはそれぞれの季節ごとに、健康に良いと言われる「五色」と「五味」があります。
例えば、「肝」の高ぶりが起こりやすい春には「青い食べ物」「酸っぱいもの」を。
夏の暑さで「気」を消耗して精神が不安定になったときの食べ物は「赤い食べ物」「苦い味のもの」を。
梅雨の季節に胃腸の働きが悪くなっているときは「黄色い食べ物」「甘いもの」を。
秋には乾燥で肌荒れが起こる季節には「白い食べ物」「辛いもの」を。
冬の寒さに耐えてエネルギーを蓄える季節には「黒い食べ物」「塩辛いもの」を。
春は、ほうれん草など青いものが、夏にはスイカやトマトなど赤いものが、秋には木の実など白いものが出回り、冬は秋に収穫した食べ物を塩で保存しています。
漢方の暮らし 第69話 元気は補充できる
「精」と同じように「元気」はスマホのバッテリーが減ってしまうようにだんだん少なくなってしまいます。ただし、「元気」は胃腸の食事と肺からの呼吸で、後から補充することができます。
これを「後天の気」といいます。
「脾」、つまり胃腸は大地に例えられています。
母なる大地というように、動植物も私たちの体もすべて大地の栄養から作られているのです。
その栄養と肺の呼吸からの酸素が結びついて、人体に必要な「気・血・水」が作られるのです。
腎に蓄えられている「先天の気」は、栄養と呼吸で補充が可能なのです。
「元気」は食事と呼吸で補充することができるのです。
せっかく親から立派な「元気」を貰っても、「先天の気」は補充しないとどんどん減ってしまうのです。
普段から食事を見直して「元気」を作り出すことが大事です。
「先天の気」をプレゼントされている人は「気」を補充しながら、生活すれば元気でいられます。
そうでなかった人もあきらめず後から補充して生活することが大事です。
今のあなたの元気は、自己責任といってもよいでしょう。
漢方の暮らし 第70話 病気は正気と邪気の戦い
正気とは人間がもともと持っている生命力・自然治癒力です。体の中に必要な量の正気が満たされていれば、病気に対する防衛能力は高くなります。
正気が正常に働くためには、気血水・陰陽などのバランスが整えることが大切です。
例えば、正気が満たされていれば夏の熱邪(ねつじゃ)・暑邪(しょじゃ)などの邪気が体に侵入しても病気になる可能性は低くなります。
湿邪とは梅雨の時期に起こりやすい湿気、暑邪は夏の暑さのことです。ただし、正気が満たされていても、平常時より邪気のパワーが強ければ病気にかかりやすくなります。
邪気とは病気を起こす原因となるものです。
邪気は体の外部から侵入するもので、風邪(ふうじゃ)・寒邪(かんじゃ)・暑邪(しょじゃ)・湿邪(しつじゃ)・燥邪(そうじゃ)・火邪(かじゃ)があります。
外邪は、体の外から皮膚や鼻・口などを通過し体の中に侵入します。
正気と邪気の戦いには、2つの考えがあります。
病気が発症あるいは進行する原因は、正気と邪気の変化によって起こると考えています。
少し難しい言葉ですが、漢方の考えである「正勝邪退」(せいしょうじゃたい)「邪勝正衰」(じゃしょうせいすい)について説明をします。
正勝邪退(せいしょうじゃたい)
「正勝邪退」とは、病気を治療する、または自然に治癒することで、少しずつ健康な状態になることを意味します。
病気がよくなる理由は、邪気が弱く症状も軽いため、正気が邪気に勝つからだと考えます。
すなわち、邪気が弱ければ症状も軽くなり、邪気が強ければ病気の状態も重くなります。
また、正気が強ければ邪気を抑える力も強くなります。
その人の体質や治療を行うことによって、邪気が弱くなり正気が勝るといったこともあります。
病気が良くなると、気血水や陰陽のバランスがよくなるため、これまで不調だった部分だけでなく体全体の健康状態が良くなります。
正気と邪気の強弱だけではなく、病気が現れた場所が異なれば、病気の状態も異なります。
例えば、風邪(ふうじゃ)の影響を受けた場合、邪気が軽ければ軽い皮膚のかゆみなどに抑えられます。
「正勝邪退」は、正気が勝り邪気が衰退すると考えることができます。
邪勝正衰(じゃしょうせいすい)
「邪勝正衰」とは、逆の状態になることを意味します。
邪気が強く正気が弱いため、生命力や自然治癒力が低くなっている状態です。正気が邪気に負けるため、病気の状態が悪化し、適切な治療を受けることができなければ、状態によっては予後不良に至ることがあります。
この状態は、邪気が極端に強く、正気が極端に弱いため、正気は邪気と戦う力がない状態です。
例えば、春に多い風邪(ふうじゃ)は、上半身から侵入しやすく、正気を損傷させます。
ある程度正気が強ければ邪気を追い出すことは可能ですが、正気が弱かったりすると邪気がどんどん体内に侵入し病を悪化させます。
これらを改善するためには、春になる前から脾の状態を整えることで正気を増やすことが大切です。
「邪勝正衰」は、邪気が勝り、正気が衰退すると考えることができます。
2月 診療のお知らせ
暦の上では大寒とはいえ、冬晴れの穏やかな日々が続いております。お元気のことと拝察いたします。
さて、2月は下記の要綱で診療・休診させて頂きます。
2月11日(月)建国記念日 通常通り診療
2月24日(金)天皇誕生日 通常通り診療
2月5 日(月)午後の診療 臨時休診
暖かい春を待ちわびつつ、皆様のご多幸をお祈り、診療に精進してまいります。
今後とも、ご厚情たまわりたく、切にお願い申し上げます。
漢方の暮らし 第68話 お元気ですか
「元気」という言葉は、「体の調子が良く、健康であるということ」つまり、「以前と同じように体調が良く、健康であることに変わりません」という挨拶です。漢方では「元気」は「気」の中の一つです。
「気」には、「宗気」「営気」「衛気」「元気」の四つあり、それぞれの働きがあります。
・ 宗気 気や血を作り出す
・ 営気 身体に栄養を与える
・ 衛気 身体を防御する
・ 元気 腎に蓄えられている気
誰でも生まれつき、親から「元気」を受け継いでいます。
この関係は「精」と同じです。
親から受け継いだ気を「先天の気」といいます。
現代的に言えば、遺伝とかDNAとかいう言葉になります。
漢方の暮らし 第67話 「気」はエネルギー
中医学では、「血」や「水」や「精」は「陰」の物質で自分では動けず、「気のエネルギー」で運んでもらうのです。「気」は「血・水・精」を身体中に運ぶ役割があるというわけです。
「気」とは「素粒子」であると考えています。
「素粒子」とは、物質をバラバラにして最終的に行き着く一番小さな物質のことです。
この世界の机や鉛筆などの物質や動植物など、あらゆるものは分解するとすべて「素粒子」になるというのです。
「素粒子」は目に見えなくても、宇宙の中や人の体の中を通り抜けるエネルギーを持っています。
身体の中の「血・水・精」は元素から出来た目に見える物質。
「気」は目に見えない電子のような素粒子。
「気」が「素粒子」と考えられるなら、宇宙のすべての物は「気」から作られたという東洋医学の照明になります。
中医学で考えるエネルギーは「気」と呼ばれ、「経絡」という電線のような連絡網を使って流れています。
ヨガで考えるエネルギーは「プラーナ」と呼ばれ、「チャクラ」という連絡所でエネルギーを交換しています。
霊的なエネルギーを表現する「オーラ」という言葉があります。
どうなる日本! どうなる家康
岡崎まで、「どうなる家康」を惜しみ、大河ドラマ館へ行き、楽しんできました。
2024年、能登大地震・飛行機事故・小倉での火災・山手線での殺害など、世間を騒がせる事件の幕開けであり、また昨年からの各地での紛争・物価高騰・政治腐敗・異常気象など、世間を騒がせています。
家康は、国を失い、父を亡くし、母と離れ、心に傷を抱えた孤独な少年・竹千代は、今川家の人質として、ひっそりと生涯を終えると思っていた。しかし──
三河武士の熱意に動かされ、弱小国の主として生きる運命を受け入れ、織田信長、武田信玄という化け物が割拠する、乱世に飛び込んだ。
最後に、関ケ原の戦い、夏の陣、冬の陣で、豊臣を崩壊させ、平和で穏便な江戸時代を築いた。
現代に当てはめれば、今は難であり、厳しい時でもあるが、
「苦難福門」ではないが、先には一つの光が差してくる思いで
乗り越える一年のスタートであると思いました。
漢方の暮らし 第66話 「気」とは?
中医学の基礎理論では、「気」は「血」や「水」と同じように体の中にある基本物質で、「血」と「水」を「五臓」に運んでいるエネルギーであるといいます。漢方では身体に必要な基本物質を「気・血・水・精」と考えています。
「血」は身体に栄養分を運んでいる物質。つまり血液です。
「水」は血液を除く、臓器や組織の中にあるリンパ液や水分で、身体の半分以上を占めています。
「精」は成長や生殖などに関わっている内分泌系の物質と考えられています。
西洋医学には「気」という概念はありません。解剖しても「気」なんてないです。
「あの人は、気力がある」「気の強い人」「気が弱い人」とか、とにかく「気」という言葉は当たり前に使っています。
でもその実態は見ることができない。「血」や「水」は実態として見えますが、「気」は身体の度にあるのか全く手がかりがありません。
しかし、昔から「気功法」「太極拳」「導引術」など「気」を高める方法があります。
鍼灸師や気功師は「気」を自由に扱い、他人に「気」を出し入れすることができます。
新春特別経営者モーニングセミナー
新春特別経営者モーニングセミナー日時 1月9日(火)AM6:30~7:30
会場 KKR名古屋ホテル
講師 参議院議員 大塚 耕平
テーマ 「判断の作法」
会費 無料
愛知県鍼灸師会顧問 大塚耕平先生には、鍼灸業界発展に寄与していただき、お世話になっております。
鍼灸師の諸先生方も、是非ともご参加お願いします。
鍼灸師以外、一般の皆様も大歓迎です。
2024年 明けましておめでとうございます。
2024年は十二支でいう辰年です。実は、正式な干支とは、「子・丑・寅・卯・辰・巳…」の動物で表す十二支だけではなく、そこに「甲・乙・丙・丁…」などで表す十干(じっかん)を組み合わせたものです。
2023年は飛躍と向上の年!卯(うさぎ)の力で運気アップ
2024年はこの二つの組み合わせ十干十二支でいうと、甲辰にあたります。
この甲辰とはどんな意味があるのでしょうか?
辰年が持つ意味とは?どんな年になる?
天と地を自由に行き交い、その鳴き声で嵐や雷を呼ぶ。自然をも操る龍は、神聖でダイナミックなイメージです。
そのイメージ通り、辰年には政治的に大きな動きがあったり、国家プロジェクトが始動したりするともいわれています。
でも実は「辰」という漢字は、二枚貝が殻から足を出して動いている姿を表した象形文字。私たちがイメージする辰とはあまり関係がないようです。
原字は「蜃」で、振や伸、震に通じ「ふるえる・成長していくさま」といった意味を持ちます。
また、中国の前漢について記した歴史書『漢書 律暦志』によると、十二支とは本来植物の成長の過程を表しているのだそう。
十二支の5番目にあたる辰は、「陽の気が動き、草木がなびいて大きく成長して、形が整っている様子」という意味になります。
ここから辰年は、物事が成長・発展し、形を成す、そんな年になるといわれているのです。
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