2023ano

漢方の暮らし 第61話 秋は辛いものほどほどに 酸っぱいものをたくさん

2023年11月28日

 食べ物にはそれぞれの季節ごとに、健康に良いと言われる「五色」と「五味」があります。
秋の色は「白」、味は「辛」です。

 辛味は「五臓」の「肺」に働きます。
辛い食べ物は身体を温めて血行を良くし、発汗を促進したり、「血」や「気」を巡らせる働きがあります。
晩秋の寒さが加わる頃には、葱・生姜・葫・胡椒・紫蘇・唐辛子・八角など辛いもので温めてあげると「肺」の働きが良くなります。

 また白い食材は「肺」を潤してくれます。
白木耳・蓮根・大根・ゆり根・山芋などです。

 ただ、辛い物を食べすぎると「肺」が活発になりすぎて、相対的に「肝」の機能を損なう結果になりやすいです。
 「肺」と「肝」は「相克」といってお互いに牽制しあう仲なのです。
そのため、「肝」を元気にする酸味をとるとよいといわれています。

 この関係は「少辛多酸」といって、辛いものはほどほどに摂って、梅干しや酢の物、酸っぱい果物を積極的に摂りなさいという教えです。

漢方の暮らし 第60話 立冬の日には

202325 de novembro -

 秋もいよいよ深まって、晩秋の色が濃くなってきました。
一年のサイクルを一日に例えると、冬は真夜中、春は朝方、夏は真昼、秋は夕方の時期に相当します。
立冬は夕方を過ぎてそろそろ寝る支度をする頃になります。

 免疫力アップには夜中のゴールデンタイムに良い睡眠をとって身体をメンテナンスすることが必要です。
立冬は良い睡眠のための準備期間といえるでしょう。

 一日の寒暖差が最も大きくなるといわれる季節です。
職場や買い物など、外出するときは、朝の天気予報をチェックして洋服を準備しましょう。
この季節はタンクトップを2枚重ねたり、袖なしブルゾンを利用して背中とお腹を守るようにしています。
香辛料を使った身体を温める食材や、火を通した料理、つまり鍋物やおでんが美味しい季節ですね。

Cura de outono

202319 de novembro de 2008

 生活における養生として秋はあくまでも物事を整理したり、仕上げたりする時期と認識し、無理に新しいことを始めてエネルギーを過度に消費しないこと、と中医学の古典でもいわれています。

 トラブルの起きやすい「肺」を補う食材としては、れんこん、トマト、百合根、白きくらげ、白ごま、豚肉、梨、柿、ぶどうなどがオススメです。
白色の食材は体に潤いを与え、乾燥の害から体を守ってくれるものとして分類されることが多いので参考にするとよいでしょう。
 また、乾燥による体調不良を感じている時には唐辛子や香辛料などの辛味(熱性)の強い食材は状況を悪化させる可能性があるため摂り過ぎを避けることも大切、といわれています。

 
 また、秋は気持ちが沈んだり、センチメンタルになったりすることが増えます。これは日照時間の減少や気温の低下などにより起こるとされていますが、
 こうしたメンタルの失調への対策として中医学の教えでは、秋はとにかく早く寝て早く起きること、できる限り心を安らかにして悔やんだり妬(ねた)んだりしないことを心がけること、とされています。
 
 
なお、秋の不調として上記以外にも夏場に冷たい飲食を摂り過ぎたり、冷房で体を冷やし過ぎたりしてしまうことで、秋のはじめ頃にだるさや胃腸の不調を訴える人も多く見られます。こうした不調を感じた場合は、まず消化のよい温かいものを無理のない分量(腹7~8分目程度)で摂りながら過ごすことを心がけるとよいでしょう。
 季候による体調不良は「夏の不調は秋のはじめ」に、「秋の不調は冬のはじめ」に、というように季節を越えるタイミングで出ることが多いので気をつけましょう。


 生活養生や漢方の知識を活かして気持ちのよい秋の季節をのんびり健やかに過ごしていただければ、と思います。

漢方の暮らし 第59話 乾燥は「外」からと「体の中」から

202314 de novembro -

 夏には多すぎる湿気のために、胃腸の働きが悪くなり、水捌けが悪くなったり、血がドロドロになったりする不調に悩まされました。
 寒湿湿熱があるように、乾燥にも外からの乾燥と、体の中からの乾燥があります。

 秋の季節に起こる外からの乾燥を「外燥」Chama-se.
 一方、夏に汗をかきすぎたり、寝不足や冷房による身体の冷えなどが続くと、身体のラジエーターの機能が悪くなって肌荒れや風邪ひきが起こるようになります。
この乾燥は「内燥」Chama-se.
 秋の「外燥」は防ぎようがありませんが、「内燥」は自己責任です。

 でもご安心ください。
秋には、乾燥した身体を潤す食べ物を摂るようにすればよいのです。

 ・ 酸っぱくて甘いもの
    ザクロ・杏・葡萄・蜜柑・レモンなど想像しただけで口の中が酸っぱくなります。
 ・ 「肺」を潤すもの
    杏・大根・山芋・白木耳・ゆり根・梨・銀杏・蜂蜜
 ・ 白い食材
    白木耳・蓮根・大根・ゆり根・山芋など
 ・ 血や精を潤して栄養分を補う食品
    鶏肉・豚肉・うずら卵・スッポン・牛乳・黒豆・黒胡麻・山芋・クコの実など
 ・ 風邪から身体を守るもの(摂りすぎに注意)
    生姜・葱・葫・紫蘇など香辛料

5 anos de experiência ética Vida agitada

202311-19:00

  本日、名古屋市中央倫理法人会MSの場で、久しぶりに会員スピーチをさせて頂きました。
 ありがとうございました。

◆倫理歴5年で、いろんなことがありました。私は五十代で再婚しました。すると娘も息子も再婚することになる。
この先が不安になると富士研(富士高原研修所)に行くチャンスがあり。受講していて仲間に心境を話すと、倫理指導をすすめられて、倫理指導を受けることができました。
答えは「そのまま行きなさい」とのことでした。
二年前に孫に盗癖があることがわかり、再び倫理指導を受けました。「娘夫婦のうまく行っていないのではないかと」と指摘される。
孫にスマホを貸してやったら、ゲームの課金が10万円を超えていた。娘夫婦とは交流がなかったが、そのことで注意したら娘の謝罪を受けて、親子の関係が修復できて行っている。娘は転職したが、自分を磨かなければと気づいてくれた。娘も変わった。不安もあるが、倫理を学び人間力をつけて行きます。【池田】

A vida na medicina chinesa Episódio 58 O novo coronavírus tem "guarda" e "yingqi"

2023年11月2日

 身体の基本物質とされる「気」には、「宗気」「衛気」「営気」「元気」という4種類の「気」Há.
  ・ 「衛気」は寒邪・燥邪・湿邪・熱邪など外界からの影響や、ウイルスや細菌から身体を守っている
   防衛隊です。
  ・ 「営気」は身体の隅々まで栄養分を運んで"Muito bem"をいじしてくれている衛生兵です。
  ・ 「宗気」は主に呼吸を行ったり血を身体中に巡らすための気といえます。
   その他にも身体を動かしたり、視覚や聴覚といった機能も支えています。
   このようなはたらきを持つ宗気は動気(どうき)とも呼ばれます。
  ・ "Muito bem"は生命活動を営むための最も基本的な原動力といえます。
   "Muito bem"は両親から受け継がれ、生きてゆくうえで消費されてゆきます。
   そして、私たちは飲食を通じて気を生み出し一部は"Muito bem"となって補充されます。
   しばしば"Muito bem"O「原気」(げんき)や「真気」(しんき)とも呼ばれます。

 「衛気」は体の表面を流れて身体を防衛し、「営気」は体の内側を流れてお互いに協力して身体を守っています。
 「寒邪」E「湿邪」などの影響が強かったり、ウイルスの攻撃力が激しかったりして「衛気」が身体お防衛できないと「営気」にダメージを与えます。
食欲がなくなったり、消化吸収の働きが悪くなったりします。
「衛気」の不振は「営気」に及び、栄養不足からますます病気が重くなってしまうわけです。
また逆に「営気」の働きが悪くなって、身体の栄養が不足すれば、身体の防衛する「衛気」が衰えます。

 「衛気」「営気」のどちらかの働きが悪くなった状態を「衛営不和」Chama-se.
「衛気」の働きが悪くなって風邪やコロナにかかっても、栄養が十分に摂って「営気」の働きを強くすれば、
細菌やウイルスを退散してしまうわけです。

 インフルエンザや新型コロナウイルスの予防には「衛気」と「営気」の働きを常に強くしておくのが原則です。
つまり、栄養をしっかり摂って、「肺」の防衛力をつよくしておくことです。



Vivendo na Medicina Chinesa Episódio 57 Prevenindo resfriados com pano seco Fricção, máscaras e silenciadores

202327 de outubro -

 漢方ではウイルスの侵入口は、口・鼻・皮膚と考えています。
「体に皮に合いし、その華は毛にある」「肺は鼻に開く」とされています。
 コロナウイルスの侵入口は口・鼻や目などの粘膜とされています。
ウイルスは口、鼻、だけでなく皮膚からも入ってくるという漢方の考え方とも合致します。

 初秋の頃はまだ天候が不安定で朝と夜の気温差もかなりあります。
まだ夏の暑さが残っていても、外出時はマスクのほかに薄手の上着やマフラーも用意してください。

 風邪の侵入口は首の後ろの"Fumon"という場所です。
風邪をひきやすい人やご高齢の方は、少し早めですがカイロを用意した方が賢明です。

 秋口になると急に肌荒れや肌に艶がなくなるのを感じることはありませんか。
原因は「肺」の不調にあるのです。
「体に皮に合いし、その華は毛にある」
漢方では「肺」の不調は皮膚に表れると考えられているのです。
「肺}は胃腸で作られた栄養物や水を全身に運んで肌を滋養する働きがあるのです。
 乾燥する季節には、汗からの水分の不足や肌に必要な栄養分の不足が起こりやすいのです。

 そのため、「肺」の機能が弱くなると、肌荒れや痒み、肌のトラブルも起こりやすくなります。
「肺」に熱がこもっていると、ニキビや皮膚の赤身、腫れといった症状が現れることもあります。

 皮膚の不調は、クリーム・軟膏などの保湿剤や薬に頼るだけでなく、「肺」の機能を高めて身体の中から改善することが大切です。
 「肺」の不調は細菌やウイルスの防衛だけでなく、肌荒れや手荒れなどの不調、「肺」に関する「大腸」にも影響して便秘などの原因になります。

 「乾布摩擦」は、肌を丈夫にして「衛気」の働きを良くし、「肺」からの細菌・ウイルスを防ぐ方法です。

A 18ª Convenção Nacional da Associação de Acupunturistas do Japão

2023年10月23日

 10月21・22日スターゲイトホテルに於いて開催された第18回日本鍼灸師会全国大会にさんかしました。
 五感を働かせて、学びつつ、癒され、満悦した二日間でした。

 学びは「鍼灸師としての防災と復興支援」「耳つぼによる疼痛ケア」「整形外科医から見た鍼灸」「医療連携と小児鍼」「令和時代の儲かる経営術」及び、
TBSドラマ「コウノドリ」のモデルとなった荻田和秀先生の講話と幅広く学び、明日の施術の糧を多く仕入れて参りました。

 また夜は、「りんくうの湯」に浸かり、ポカポカと身体が温まりリフレッシュして癒されました。
 夜景を見ながら独り飲みをして、営気を養いました。

Kampo Life Episódio 56 Os pulmões são muito trabalhadores, e eles estão fazendo isso

202319 de outubro -

 「肺」は口や鼻から寒さや乾燥から防衛する働きのほかに、もう一つ、水分や栄養を組織や皮膚に運んだり、
余分な水分を排泄する働きがあります。

「宣発」と「粛降」という二つの働きによって、胃腸から運ばれてきた栄養分や水分をシャワーのように臓器や組織に運んで、皮膚を潤したり、余分な水分を呼気や汗で排出したり、"Renal"に送って尿で排出する仕事をしているのです。
 この「宣発」「粛降」の作用に支障が出ると、皮膚に栄養が行き渡らなくなってカサカサになったり、水の排出に支障が起きて、顔や瞼が浮腫んだりします。
 冬は毛穴をキュッと閉じて、寒さを守り、夏は暑さを逃がすために毛穴を開きます。
運動もしないのに日中汗をかいたり、疲れると寝汗をかいたりする方、肌がカサカサしてアザが多い人は、
「肺」「宣発粛降」の作用に支障が起きているのです。

 また、「肺」の腑は「大腸」になり、「肺」O「大腸」に影響して、便秘や下痢などにも関係します。
ですから、咳止めの効果がある杏は、腸を潤す働きもあり、便秘にも有効になります。

 「肺」はこのように、口・鼻・皮膚・大腸の働きに影響しているのです。

Kampo Life Episódio 55: Cura de Outono

2023年10月12日

 秋は乾燥と同時に日中は夏の暑さが残ったり、朝晩は冷えることもあり、気温が変化しやすい季節です。
また秋口になって、まだ暑さと湿気が残っている初秋の時期と、秋も深まる晩秋の時期には寒さと乾燥の対処が必要になります。

 「肺」の働きが悪い人は暑さ寒さの調節」に支障が起こります。
「肺の華は鼻に開く」といわれ、鼻は「肺」の入口になります。
「肺」の入り口の鼻がクシャミや鼻水でウイルスを追い出そうと働くのです。
「肺」の働きとは反対に、風邪の菌やウイルスは寒さと乾燥の時期に元気になり、攻撃力が強くなります。

 「肺」が冷えると、入口の防御力が弱くなるので、「肺」を温めることが予防の一番の鍵になります。
 漢方薬では風邪の引き始めに使われる「葛根湯」が有名です。
この薬の中には生姜や桂皮など温めるものが配合されています。
鼻水が出たらまず温める食べ物や背中を温めて、風邪のお客様に帰っていただきましょう。

 生姜・葱・葫などを味噌汁やスープに入れたり、香辛料を利用するといいですね。
寒さで風邪をひきやすい人は、鼻や口をマスクでガードしたり、マフラーや背中を温める服装で予防してください。