2023year
年末年始 挨拶

早いもので今年もあとわずかとなりました。
この1年池田鍼灸治療院をお引き立ていただき誠にありがとうございました。
来年も、いっそう皆様のお役に立てるよう尽力して参りますので、 どうぞよろしくお願いいたします。
なお、誠に勝手ながら、年末年始は下記の日程で休診させていただきます。
年末年始休業 2023年12月29日(金) ~ 2024年1月3日(水)
2023年1月4日(木)9:00より通常通り診療いたします
休診中の急患・お問い合わせにつきましては、できる範囲で対応とさせていただきます。お電話ください。
? 090-1725-6298 0568-23-2265
ご迷惑をおかけしますが、何卒よろしくお願い申し上げます。
どうぞ良いお年をお迎えください。
今後とも池田鍼灸治療院をご愛顧いただけますよう、よろしくお願いいたします。
漢方の暮らし 第65話 気の働きが低下すると
「気」の6つの働き、「血や水の生成」「全身に栄養を運ぶ」「身体を温める」「身体を防御して抵抗力を高める」「汗や血や尿など漏れを防ぐ」「内臓の位置を保つ」に不調が起こると、具体的に次のような不調が出てきます。
・ 血や水の生成が不足すると
疲れやすい、無気力、欠伸、息切れ、声が小さくなる、目に力がない、排便の力がない
・ 全身に栄養が運ばれなくなると
痩せてくる、疲れやすい、顔色が悪い、部分的な貧血が起こる、不安感やパニックが起こる
・ 身体を温める働きが低下すると
手足が冷える、寒がる、尿が薄くサラサラになる、顔色が青白くなる
・ 身体を防御する作用が低下すると
風邪をひきやすい、何もしないのに汗が出る
・ 汗や血や尿などの漏れを防ぐ作用が低下すると
不正出血や生理がダラダラ続く、尿が漏れる
・ 内臓の位置を保つ作用が低下すると
胃下垂、子宮脱、脱肛、下半身が太る
びっくりするほど、こんなにいろいろな不調が起こります。

漢方の暮らし 第64話 冬至は素晴らしい運が開ける日
「冬至」は「とっても素晴らしい日」だということをご存じですか?「冬至」は一年の中で太陽の位置が最も低くなる日、夜が長くなる日です。
つまり、それ以降は太陽が高くなるので、だんだん明るい時間が長くなるのです。
「陰」と「陽」でいえば、「冬至」は「陰」が最も深くなる日。
その日から「陽」が始まるのです。
おそらく、昔は太陽の力が強くなる=生きる力が強くなる。
希望に満ちた日だったのでしょう。
「冬至」はそんな素晴らしい「陽」の、始まりの日なのです。
「冬至」は「陰」が極まり、再び「陽」に帰るので、「一陽来復」といいます。
その日から運が上昇に転じるわけです。
もし今まで嫌なことがあった人も、「冬至」の次の日からきっといいことがあるはずです。
「冬至」はそんな、素晴らしいチャンスの日なのです。

漢方の暮らし 第63話 疲れと尿漏れの関係
疲れやすい、無気力、持続力が低下する、集中力が低下する、手足が冷える、寒がる、風邪をひきやすい・・・そのような症状は「気虚」という気が不足した症状です。
そして「気虚」になると、同時に尿が薄くサラサラになる、尿が漏れる、下半身が太りやすい、胃下垂や脱肛がある、生理がダラダラ続く・・・といった症状に悩まされる方が多いのです。
尿漏れの原因は腎の弱りが原因のことが多いのですが、気の不足、「気虚」が原因のこともあるのです。
「気」は体の中で次のような働きをしています。
・ 血や水を生成する
・ 全身に栄養を運ぶ
・ 身体を温める
・ 身体を防御して免疫力をたかめる
・ 汗や血や尿など漏れを防ぐ
・ 内臓の位置を保つ
この汗や血や尿などが漏れるのを防ぐという働きに不調が起きると、尿漏れや生理がダラダラ続くなどの症状が出てくるのです。
「気」の働きはたくさんあるので、「気虚」という症状は実に多くの不調が出てきます。

年末年始のお知らせ
Notice of new year holidays12 moon 29 日 (金) Closed
30 日 (土) Closed
31 日 (日)Closed
1 月 1 日 (月) Closed
2 日 (火) Closed
3 日 (水) Closed
本年中は格別のご厚情を賜り感謝にたえません。
ご家族皆々様おそろいにて、幸多き新年をお迎えこととご祈願させていただきます。
Ikeda acupuncture

漢方の暮らし 第62話 肺のお母さんは脾
埃や細菌が入ってくると、気管支粘膜から「痰」が分泌されて異物を包み込み喉まで運んで出してくれます。つまり「痰」はモップの役割をしているのです。
しかしこの「痰」の量が多くなると胸が苦しくなったり、逆に「痰」が少なくなると「痰」がネバネバして切れなくなったり、いろいろな不快が出てきます。
「脾は生痰の源、肺は貯痰の器」といわれています。
つまり、水の生成と貯蔵の関係です。
胃腸は水の生成に、肺の水の貯蔵に関係しており、どちらの機能が失調しても「痰」に影響するわけです。
例えば夏の暑さで脾の機能が失調すると、"Water poisoning"が起こり肺に「痰」がたまり胸が苦しくなります。
逆に秋冬の乾燥で肺の貯痰の機能が失調すると、「痰」が少なくなって空咳や「痰」が切れず胸が苦しくなります。
「痰」が多くて苦しくなる喘息や咳の治療に、胃腸薬が使われることがあります。
疲れやすい、風邪をひきやすいなどの傾向があるなど、"Spleen"の不調がある場合の治療法です。
この方法を、「培土生金」It is called.
五行の関係でいうと、金(肺)と土(脾)はお互いに助け合う相生の関係です。
つまり母親である土を補うことで、子供の金を守ってあげるということなのです。

漢方の暮らし 第61話 秋は辛いものほどほどに 酸っぱいものをたくさん
食べ物にはそれぞれの季節ごとに、健康に良いと言われる「五色」と「五味」があります。秋の色は「白」、味は「辛」です。
辛味は「五臓」の「肺」に働きます。
辛い食べ物は身体を温めて血行を良くし、発汗を促進したり、「血」や「気」を巡らせる働きがあります。
晩秋の寒さが加わる頃には、葱・生姜・葫・胡椒・紫蘇・唐辛子・八角など辛いもので温めてあげると「肺」の働きが良くなります。
また白い食材は「肺」を潤してくれます。
白木耳・蓮根・大根・ゆり根・山芋などです。
ただ、辛い物を食べすぎると「肺」が活発になりすぎて、相対的に「肝」の機能を損なう結果になりやすいです。
「肺」と「肝」は「相克」といってお互いに牽制しあう仲なのです。
そのため、「肝」を元気にする酸味をとるとよいといわれています。
この関係は「少辛多酸」といって、辛いものはほどほどに摂って、梅干しや酢の物、酸っぱい果物を積極的に摂りなさいという教えです。

漢方の暮らし 第60話 立冬の日には
秋もいよいよ深まって、晩秋の色が濃くなってきました。一年のサイクルを一日に例えると、冬は真夜中、春は朝方、夏は真昼、秋は夕方の時期に相当します。
立冬は夕方を過ぎてそろそろ寝る支度をする頃になります。
免疫力アップには夜中のゴールデンタイムに良い睡眠をとって身体をメンテナンスすることが必要です。
立冬は良い睡眠のための準備期間といえるでしょう。
一日の寒暖差が最も大きくなるといわれる季節です。
職場や買い物など、外出するときは、朝の天気予報をチェックして洋服を準備しましょう。
この季節はタンクトップを2枚重ねたり、袖なしブルゾンを利用して背中とお腹を守るようにしています。
香辛料を使った身体を温める食材や、火を通した料理、つまり鍋物やおでんが美味しい季節ですね。

Autumn curing
生活における養生として秋はあくまでも物事を整理したり、仕上げたりする時期と認識し、無理に新しいことを始めてエネルギーを過度に消費しないこと、と中医学の古典でもいわれています。トラブルの起きやすい「肺」を補う食材としては、れんこん、トマト、百合根、白きくらげ、白ごま、豚肉、梨、柿、ぶどうなどがオススメです。
白色の食材は体に潤いを与え、乾燥の害から体を守ってくれるものとして分類されることが多いので参考にするとよいでしょう。
また、乾燥による体調不良を感じている時には唐辛子や香辛料などの辛味(熱性)の強い食材は状況を悪化させる可能性があるため摂り過ぎを避けることも大切、といわれています。
また、秋は気持ちが沈んだり、センチメンタルになったりすることが増えます。これは日照時間の減少や気温の低下などにより起こるとされていますが、
こうしたメンタルの失調への対策として中医学の教えでは、秋はとにかく早く寝て早く起きること、できる限り心を安らかにして悔やんだり妬(ねた)んだりしないことを心がけること、とされています。
なお、秋の不調として上記以外にも夏場に冷たい飲食を摂り過ぎたり、冷房で体を冷やし過ぎたりしてしまうことで、秋のはじめ頃にだるさや胃腸の不調を訴える人も多く見られます。こうした不調を感じた場合は、まず消化のよい温かいものを無理のない分量(腹7~8分目程度)で摂りながら過ごすことを心がけるとよいでしょう。
季候による体調不良は「夏の不調は秋のはじめ」に、「秋の不調は冬のはじめ」に、というように季節を越えるタイミングで出ることが多いので気をつけましょう。

生活養生や漢方の知識を活かして気持ちのよい秋の季節をのんびり健やかに過ごしていただければ、と思います。
漢方の暮らし 第59話 乾燥は「外」からと「体の中」から
夏には多すぎる湿気のために、胃腸の働きが悪くなり、水捌けが悪くなったり、血がドロドロになったりする不調に悩まされました。寒湿と湿熱があるように、乾燥にも外からの乾燥と、体の中からの乾燥があります。
秋の季節に起こる外からの乾燥を「外燥」It is called.
一方、夏に汗をかきすぎたり、寝不足や冷房による身体の冷えなどが続くと、身体のラジエーターの機能が悪くなって肌荒れや風邪ひきが起こるようになります。
この乾燥は「内燥」It is called.
秋の「外燥」は防ぎようがありませんが、「内燥」は自己責任です。
でもご安心ください。
秋には、乾燥した身体を潤す食べ物を摂るようにすればよいのです。
・ 酸っぱくて甘いもの
ザクロ・杏・葡萄・蜜柑・レモンなど想像しただけで口の中が酸っぱくなります。
・ 「肺」を潤すもの
杏・大根・山芋・白木耳・ゆり根・梨・銀杏・蜂蜜
・ 白い食材
白木耳・蓮根・大根・ゆり根・山芋など
・ 血や精を潤して栄養分を補う食品
鶏肉・豚肉・うずら卵・スッポン・牛乳・黒豆・黒胡麻・山芋・クコの実など
・ 風邪から身体を守るもの(摂りすぎに注意)
生姜・葱・葫・紫蘇など香辛料

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