2023年October
漢方の暮らし 第57話 乾布摩擦・マスク・マフラーでで、風邪予防
漢方ではウイルスの侵入口は、口・鼻・皮膚と考えています。「体に皮に合いし、その華は毛にある」「肺は鼻に開く」とされています。
コロナウイルスの侵入口は口・鼻や目などの粘膜とされています。
ウイルスは口、鼻、だけでなく皮膚からも入ってくるという漢方の考え方とも合致します。
初秋の頃はまだ天候が不安定で朝と夜の気温差もかなりあります。
まだ夏の暑さが残っていても、外出時はマスクのほかに薄手の上着やマフラーも用意してください。
風邪の侵入口は首の後ろの「風門」という場所です。
風邪をひきやすい人やご高齢の方は、少し早めですがカイロを用意した方が賢明です。
秋口になると急に肌荒れや肌に艶がなくなるのを感じることはありませんか。
原因は“肺”の不調にあるのです。
「体に皮に合いし、その華は毛にある」
中醫“肺”の不調は皮膚に表れると考えられているのです。
「肺}は胃腸で作られた栄養物や水を全身に運んで肌を滋養する働きがあるのです。
乾燥する季節には、汗からの水分の不足や肌に必要な栄養分の不足が起こりやすいのです。
そのため、“肺”の機能が弱くなると、肌荒れや痒み、肌のトラブルも起こりやすくなります。
“肺”に熱がこもっていると、ニキビや皮膚の赤身、腫れといった症状が現れることもあります。
皮膚の不調は、クリーム・軟膏などの保湿剤や薬に頼るだけでなく、“肺”の機能を高めて身体の中から改善することが大切です。
“肺”の不調は細菌やウイルスの防衛だけでなく、肌荒れや手荒れなどの不調、“肺”に関する「大腸」にも影響して便秘などの原因になります。
「乾布摩擦」は、肌を丈夫にして「衛気」の働きを良くし、「肺」からの細菌・ウイルスを防ぐ方法です。
第18回日本鍼灸師会全国大会
10月21・22日スターゲイトホテルに於いて開催された第18回日本鍼灸師会全国大会にさんかしました。五感を働かせて、学びつつ、癒され、満悦した二日間でした。
学びは「鍼灸師としての防災と復興支援」「耳つぼによる疼痛ケア」「整形外科医から見た鍼灸」「医療連携と小児鍼」「令和時代の儲かる経営術」及び、
TBSドラマ「コウノドリ」のモデルとなった荻田和秀先生の講話と幅広く学び、明日の施術の糧を多く仕入れて参りました。
また夜は、「りんくうの湯」に浸かり、ポカポカと身体が温まりリフレッシュして癒されました。
夜景を見ながら独り飲みをして、営気を養いました。
漢方の暮らし 第56話 肺はとっても働き者こんなこともやっている
“肺”は口や鼻から寒さや乾燥から防衛する働きのほかに、もう一つ、水分や栄養を組織や皮膚に運んだり、余分な水分を排泄する働きがあります。
「宣発」と「粛降」という二つの働きによって、胃腸から運ばれてきた栄養分や水分をシャワーのように臓器や組織に運んで、皮膚を潤したり、余分な水分を呼気や汗で排出したり、“雷納爾”に送って尿で排出する仕事をしているのです。
この「宣発」和「粛降」の作用に支障が出ると、皮膚に栄養が行き渡らなくなってカサカサになったり、水の排出に支障が起きて、顔や瞼が浮腫んだりします。
冬は毛穴をキュッと閉じて、寒さを守り、夏は暑さを逃がすために毛穴を開きます。
運動もしないのに日中汗をかいたり、疲れると寝汗をかいたりする方、肌がカサカサしてアザが多い人は、
“肺”の「宣発粛降」の作用に支障が起きているのです。
また、“肺”の腑は「大腸」になり、“肺”這「大腸」に影響して、便秘や下痢などにも関係します。
ですから、咳止めの効果がある杏は、腸を潤す働きもあり、便秘にも有効になります。
「肺」はこのように、口・鼻・皮膚・大腸の働きに影響しているのです。
漢方の暮らし 第55話 秋の養生
秋は乾燥と同時に日中は夏の暑さが残ったり、朝晩は冷えることもあり、気温が変化しやすい季節です。また秋口になって、まだ暑さと湿気が残っている初秋の時期と、秋も深まる晩秋の時期には寒さと乾燥の対処が必要になります。
“肺”の働きが悪い人は暑さ寒さの調節」に支障が起こります。
「肺の華は鼻に開く」といわれ、鼻は「肺」の入口になります。
“肺”の入り口の鼻がクシャミや鼻水でウイルスを追い出そうと働くのです。
“肺”の働きとは反対に、風邪の菌やウイルスは寒さと乾燥の時期に元気になり、攻撃力が強くなります。
“肺”が冷えると、入口の防御力が弱くなるので、“肺”を温めることが予防の一番の鍵になります。
漢方薬では風邪の引き始めに使われる「葛根湯」が有名です。
この薬の中には生姜や桂皮など温めるものが配合されています。
鼻水が出たらまず温める食べ物や背中を温めて、風邪のお客様に帰っていただきましょう。
生姜・葱・葫などを味噌汁やスープに入れたり、香辛料を利用するといいですね。
寒さで風邪をひきやすい人は、鼻や口をマスクでガードしたり、マフラーや背中を温める服装で予防してください。
10醫療護理公告
10醫療護理公告夜ごとの虫の音に、深まりゆく秋を感じるころとなりましたが、
お元気のことと拝察いたします。
さて、10月は下記の要綱で診療・休診させて頂きます。
10月21日(土) 臨時關閉
10月24日(火) 午後の診療のみ 臨時關閉 <r />
秋たけなわの好季節、皆様のご健康に留意され、ますますご活躍されますことを心よりお祈り、
診療に精進してまいりますので、ご厚情たまわりたく、切にお願い申し上げます。
漢方の暮らし 第54話 肺はいろいろな邪と戦っている
「風邪は百病」の長と言って、季節によっていろいろな邪を連れて“肺”に侵入してきます。冬場など寒い季節には「寒邪」が“肺”から侵入してきます。「風寒」它被稱為。
くしゃみ、頭痛や寒気を伴い痰や鼻水の色が透明で切れやすいのが特徴です。
身体を温める方法で退散してもらいます。
梅雨の季節や夏の湿気は“肺”から胃腸に侵入してきます。「風湿」它被稱為。
下痢や発熱、吐き気、張ったような頭痛、鼻水が粘る、身体が怠い、口が渇いても飲みたがらない等の症状が出ます。
身体の余分な水を出す方法で退散してもらいます。
夏の季節や、暖房などの暑さを伴う風にあうと熱の邪が“肺”から侵入してきます。「風熱」它被稱為。
急に咳が出始めて、頭痛や身体の熱感、喉の腫れや痛み、喉の渇きなどを伴うのが特徴です。
痰や鼻水は黄色く、切れにくくなっています。
秋などに乾いた風にあうと乾燥の邪が侵入してきます。「風燥」它被稱為。
喉が乾燥して潤いを奪うので、乾いた咳や空咳が起こります。
喉の痛みや、痰は出ないか、また少なくて粘り、血液が混じることもあり、口や唇、喉も乾きます。
“肺”を潤す方法で追い払います。
漢方の暮らし 第53話 秋の「乾燥」はこわい
秋は、運動会や文化祭などが開催され、スポーツの秋、読書の秋、芸術の秋などと楽しい行事が続きます。また中秋の名月、物思う秋など何となくロマンティックな気分になる季節でもあります。
しかし、夏が過ぎて秋風が吹くころになると、夏のじめじめした気候から一変して空気が乾燥してきます。
この季節を悩ます邪は、乾燥の邪、「燥邪」が身体を痛めつけるのです。
「燥邪」這五臓六腑の“肺”の働きを低下させます。
“肺”の役割の一つは胃腸と協力して“氣”を作り出すこと、そしてもう一つの働きは肌や皮膚を潤したり、
細菌やウイルスから身体を防御する働きです。
“肺”は湿を好み、乾燥を嫌うという性質があるのです。
秋の乾燥は“肺”の働きを低下させて免疫力を低下させてしまいます。
“肺”は五臓の中で一番上にあるので、「華蓋」と言われています。
「華蓋」とは王様の専用車の上の部分のことで、蓋は傘という意味です。
一番高いところにあって、外部の侵入から身体全体の臓器を守っています。
しかし、また“肺”はデリケートな臓器で寒さや乾燥などの影響を受けやすいのです。
例えば秋風が吹き始めると、急に咳が出始めることがあります。
“肺”は季節の変化を一番初めにキャッチして反応する兵士なのです。
“肺”は湿気を喜び、乾燥を嫌うので、秋や冬の季節に弱いのです。
夏の湿気の多い季節は元気に働いていた兵士は、秋の乾燥した季節になるとたちまち戦意がていか低下してしまうのです。
逆に、ウイルスは寒さと乾燥が大好きで、この季節に活躍してきます。
漢方の暮らし 第52話 ドロドロ血は万病の元
「ドロドロ」は身体のいろいろな場所に起こり、身体の不調をもたらすので「万病の元」と言われます。血管の長さは毛細血管まで含めると約10万㎞あるといわれています。
ドロドロ血(?血)はいろいろな場所の血流を悪くして、体中にいろいろな不調が起こります。
例えば血管が細くなって血流が悪くなれば、血圧を上げて「高血圧」發生。
心臓に送る血管が細くなれば、心臓の働きに負担を与えて、「心肥大」和「心不全」の原因になります。
さらに進めば臓器や組織に「血」が途絶えて、「心筋梗塞」和「脳梗塞」、「狭心症」の原因になります。
血管に圧力がかかり続ければ、危うくなった血管が破れて「脳出血」や「くも膜下出血」の原因になります。
子宮に「?血」が起これば、「月経痛」「月経不順」「不妊症」「子宮内膜症」「子宮筋腫」などの婦人疾患の原因になります。
食道や下半身の血流が悪くなれば、「食道静脈瘤」和「下肢静脈瘤」發生。
肛門の門脈の血流が悪くなれば、「内痔核」和「外痔核」發生。
その他、肩こり、腰痛、ひざ痛、冷え、のぼせ、眩暈、肌荒れなども「?血”が原因になっていることも多いのです。
「?血」の改善や予防はとても大切なことなのです。
「?血」ドロドロを改善する食材
・ ニラ・茄子・小松菜・油菜・ラッキョウ・玉葱・葱・セロリ・パセリなどの野菜、特に香味野菜は血行を
良くして?血を防ぎます。
・ 黒キクラゲ・黒豆・黒酢・黒砂糖・黒ゴマなど黒のつくものが血を増やし血の巡りを良くします。
・ 鯵・鰯・鯖・秋刀魚など青魚は、「EPA」や「DHA」が含まれます。血流サラサラ成分です。
・ ブルーベリー・プルーン・スモモ・桃などの果物
「?血”這“虛空”、ストレス、冷え、湿熱が原因の場合があるので、組み合わせが必要です。
ちょい足し還付には、紅花、薬母草、山査子をお勧めします。
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