漢方の暮らし 第56話 肺はとっても働き者こんなこともやっている

2023年10月19日

 “肺”は口や鼻から寒さや乾燥から防衛する働きのほかに、もう一つ、水分や栄養を組織や皮膚に運んだり、
余分な水分を排泄する働きがあります。

「宣発」と「粛降」という二つの働きによって、胃腸から運ばれてきた栄養分や水分をシャワーのように臓器や組織に運んで、皮膚を潤したり、余分な水分を呼気や汗で排出したり、“雷納爾”に送って尿で排出する仕事をしているのです。
 この「宣発」「粛降」の作用に支障が出ると、皮膚に栄養が行き渡らなくなってカサカサになったり、水の排出に支障が起きて、顔や瞼が浮腫んだりします。
 冬は毛穴をキュッと閉じて、寒さを守り、夏は暑さを逃がすために毛穴を開きます。
運動もしないのに日中汗をかいたり、疲れると寝汗をかいたりする方、肌がカサカサしてアザが多い人は、
“肺”「宣発粛降」の作用に支障が起きているのです。

 また、“肺”の腑は「大腸」になり、“肺”「大腸」に影響して、便秘や下痢などにも関係します。
ですから、咳止めの効果がある杏は、腸を潤す働きもあり、便秘にも有効になります。

 「肺」はこのように、口・鼻・皮膚・大腸の働きに影響しているのです。
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