漢方の暮らし 第22話 春は酸っぱいものをちょっぴり

2023年5月8日

 春は五臓の色は青、味は酸です。
きんかん、カボス、みかん、キウイフルーツなど酸っぱいものは「肝」を補う食品として効果があります。

 ただし酸っぱいものはとりすぎてはいけません。
「肝の気」はエスカレートして興奮すぎると、胃腸の働きを低下させるからです。
五臓六腑のチームの中で、とは助け合う関係(母子関係・相生)ですが、胃腸とはけん制しあう関係(相克)です。
木克土といって、肝(木)が根を張りすぎると、胃腸(土)の養分が奪われてしまうのです。
これはいわゆる神経性胃炎などの原因になるので注意してください。

 紫蘇やハッカ、ミカンの皮(陳皮)はストレスを取り除く漢方の材料にも使われています。
普段の料理に是非ご利用ください。
 生姜、ネギ、ニラ、ニンニク、セロリ、春菊、セリなどの香味野菜は「気」の渋滞を取り除く働きがあるので、
イライラの傾向がある人は普段の料理に加えるとよいです。
 またコショウ、唐辛子などのスパイスも刺激作用で「気」の渋滞を解消する働きがあります。

 ただし、これらの刺激物を取りすぎると、熱を取り除くラジエーターの働き(陰)を消耗しやすいです。
陰血の不足は陰虚となり、その特徴は、顔や手足が火照る、喉が渇く、興奮しやすい、寝汗が出るなどの症状が出てきます。
この症状は、熱感があることで、自分が元気であると勘違いしやすく空元気の場合があります。
特に男性の場合、誤解を生じやすい症状がありますので注意してください。

 香味野菜やスパイスで上手に「気」を発散して、春を楽しみましょう。


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