新型コロナには「衛気」と「営気」

2022年9月28日

 体の基本物質とされる「気」には、「宗気」「営気」「衛気」「元気」の4種類あります。

 「宗気」とは、主に呼吸や血液循環のエネルギーとして働く気のことです。
食べた物から得られた栄養(水穀の精微)と、酸素(自然界の清気)が合わさって作られるものです。
胸の辺りに存在し、呼吸・心臓のポンプ作用・発声などに関与します。

 「元気」は、父母から受け継いだ「精」は五臓の「腎」に貯えられます。
「元気」は主に成長発育のエネルギーとして、また生命の根本的なエネルギーとしての位置づけとなります。

 「営気」は体の隅々まで栄養分を運んで元気を維持してくれている衛生兵です。
 
 「衛気」は寒邪、燥邪、湿邪などの外界からの影響や、ウイルスや細菌から体を守っている防衛隊です。

 「衛気」は体の表面を流れて体を防衛し、「営気」は体の内側を流れてお互いに協力して体を守っています。
 寒邪、湿邪などの影響が強かったり、ウイルスの攻撃力が激しかったりして「衛気」が体を防衛できないと「営気」にダメージを与えます。
 食欲がなくなったり、消化吸収の働きが悪くなったりします。
「衛気」の不振は「営気」に及び、栄養不足からますます病気が重くなってしまうわけです。
 また逆に「営気」の働きが悪くなって、体の栄養が不足すれば、体を防衛する「衛気」が衰えます。

 「衛気」と「営気」のどちらかの働きが悪くなった状態を「衛営不和」といいます。
 「衛気」の働きが悪くなって感冒やインフルエンザにかかっても、栄養を十分とって「営気」の働きを強くすれば、菌やウイルスは退散してしまうわけです。
 インフルエンザや新型コロナウイルスの予防には「衛気」と「営気」の働きを常に強くしておくのが原則になります。
 つまり栄養をしっかりとって、十分な休養をとり、「肺」の防衛力を強くしておくことです。
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