2022年7月5日

鍼灸には専門分野別の治療がある ニーズが高い4つの分野

2022年7月5日

鍼灸治療は古くは紀元前から伝わる中国の医学のひとつです。
我が国では古くから病気治療に用いられ、中国の鍼灸とはまた違った日本独自の進化を遂げています。
現在では大学病院などでも鍼灸を取り入れているところが増えています。

 鍼灸の特徴のひとつに、特定の分野で積極的に用いられていることが挙げられます。
特にニーズの高い4つの分野を紹介したいと思います。

 まず1つ目がスポーツ分野です。

 鍼は「血行改善」「筋緊張緩和」「鎮痛」の作用があり、自身の体の管理が重要なアスリートにとって、
血行改善で疲労回復を早めたり、筋肉を緩めたりできる鍼灸は、
ケガからの復帰やパフォーマンスの向上が期待できる治療法として認識されています。

 プロの世界やオリンピック選手など競技レベルの高い選手になるほど、薬物によるドーピング問題もありニーズが高く、
薬を使わない鍼には信頼が寄せられています。

 2つ目は婦人科の領域です。体のバランスを整えることを目指す東洋医学との相性が良いのです。
「不妊症」「更年期障害」「月経困難症」など婦人科領域では専門の鍼灸師が多く活躍しています。

 3つ目は、近年ますますニーズが高まっている美容鍼灸です。
ハリウッド女優が受けていることで世界的にも知られるようになりました。
鍼は基本的に血行を良くし代謝を促す作用があるため、シワやたるみの改善につながるわけです。
体のバランスを整えることによる美肌効果も期待できます。

 そして4つ目が、高齢者や小児分野です。鍼灸は免疫力を維持・向上させることができるため、
健康維持や病気の予防を目的に定期的に受診する高齢者もいるほどです。
子供を対象とした小児鍼では、刺さない鍼を用いて対処して、夜泣きに疳の虫や夜尿症などを得意としています。

 ちなみにこの刺さない鍼は、その軽微な刺激のためとても心地よく、施術中に眠ってしまう子供もいるぐらいです。近年では不登校や発達障害といった心の問題に対しても鍼灸が活用されています。