心と漢方   不眠

20226 月,7 日下午

 西洋医学では、「不眠」という症状を改善するために睡眠薬を処方します。
しかし、睡眠薬には人によって、夜中に自分がとった行動が記憶に残らない「一過性前向性健忘」が生じることがあります。
また、夜は眠ることはできるが、日中ポーッとするというような不都合が起きる場合があります。

 一方、東洋医学では「眠れない」という症状の背後にはどのような原因がるのか、と患者さんから情報を得ようとします。
得られるすべての情報からその人の心身の状態を把握しようとするのです。
「どうして眠れなくなったのですか?」と話を聞きながら、その話し方、声の張り、顔色、体臭や脈など、
あらゆる情報を総合して診断をつけていきます。
 日中、プレッシャーの多い仕事をしている人はその緊張が夜まで抜けず眠れなくなります。
また、疲れが蓄積し、生命力を司る「腎」の力が弱っているために夜間頻尿となり、何度も目覚めてしまう人もいます。
 症状を引き起こすには、その人それぞれの体質も強く関係します。
そこで漢方ではバランスを崩した部分を補うように処方します。
さらに、漢方で大事にするのは、その人自身が生活を変えていくという「養生」という考え方です。

 昼間の緊張で神経が高ぶって眠れない人は、30分前ほど、半身浴をして体の芯まで温めると、ちょうど眠る前に体温が下がり、眠りに落ちることができるようになります。
心の緊張により縮こまった血管をさらに冷水で最大限に縮めることによって自立神経をリセットし、リラックス状態を作り出すのです。
このように、自律神経そのものに触れずともに全身からのアプローチで遠隔操作をする、というのも漢方が得意とする手法です。
 
 漢方は不眠の改善を得意とするものの、治さなくてもよい不眠もあるのでは、と思うこともあります。
中国で古くからある言葉に「陰極まれば、無極を経て陽に転じ、陽極まれば、無極を経て陰に転ず」というものがあります。
眠れないときには眠れないなりの理由があり、眠れない状態も極地に達すると、嘘のように眠れる時が来ます。
体が持つ調節作用の一つです。
昨晩も眠れなかったにこだわるよりも、体が持っている調節作用に委ねてみるぐらいの気持ちで構えてみるのも一つの方法です。

 体本体の調節力が働くためには、自然のリズムに逆らわない生活がとても大事です。
昼夜のリズム、季節のリズムにうまく体をなじませていくことです。
夏に向けて日の出時刻が早まってくるので、いつもより少し早起きするだけでも体に力が湧いてきます。

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