漢方薬・鍼灸は本当に効き目あるの? 西洋医学との違いや特徴は

2022年5月25日

 西洋医学は投薬や手術といった方法で、体の悪い部分に直接アプローチして治療していきます。
これに対して東洋医学は漢方薬と鍼灸はじめ手技療法があります。
両者とも、体の不調を内側から根本的に治す治療法です。自然治癒力を求めている治療です。

西洋医学が向いているのはどのような場合でしょうか?

 西洋の薬はたいてい一つの有効成分で作られていて、血圧を下げたり、細菌を殺したり、熱や痛みを取ったりするなど、一つの症状や病気に対して、強い効果があります。
 西洋医学では、患者の訴えのほかに検査を重視していて、その検査結果から病気の可能性を探ったり、治療法を考えていったりします。
検査結果や数値などにしっかり表れるような病気を得意としていると言えるでしょう。

・一方で、漢方藥や鍼灸は、どのような症状の場合に処方されるのでしょうか?
 何らかの症状があっても検査ではっきりとした原因が特定できない場合などに、
漢方藥・鍼灸を使用することが多い印象です。
 また、体質が関係する場合や慢性的な疾患の場合などにも、
状態に応じて漢方薬や鍼灸を用いるケースもあります。
 ほかにも、ご本人の症状が楽になるように西洋医学と漢方薬や鍼灸を併用したり、
精神的な不調を訴えていて向精神薬の内服に抵抗がある人にも漢方薬や鍼灸を施すケースなどがあります。

漢方藥や鍼灸のメリットを教えてください。

 漢方藥や鍼灸には様々な種類の治療や処方があり、病状や体質に合わせて施術します。
全身から局所まで幅広く働いたり、自然治癒力を高めたりするものがある点でしょう。
 症状だけでなく、一つの治療や処方で、病気が改善されることがあるのも漢方藥や鍼灸の大きな特徴です。
たとえば、腰痛や頻尿の治療や処方すると、疲れやむくみなど、複数の症状が改善されることがあります。

反対に、デメリットもあるのでしょうか?

 漢方藥や鍼灸は、直接細菌を殺したり、悪性腫瘍を除去することはできません。
しかし、細菌や悪性腫瘍に負けない体質、免疫力をアップさせることは可能です。
また、細菌や悪性腫瘍に伴う症状や、西洋医学による副作用の症状を緩和させるには有効で、
漢方藥や鍼灸を用いられます。
漢方薬のなかには、血圧の上昇や浮腫などの副作用を生じたり、
飲み合わせに注意が必要だったりする種類もあります。
 漢方薬や鍼灸は症状にもよりますが、急性期に効果が期待できます。
ただし、効果の発現やその治療や処方が患者さんにとってうまく適合するかは、
問診で体質や症状などを詳しく調べる必要があります。
そのため、その人にとって何が足りていないか、どんな機能が乱れているかによって、
治療や処方を選択することが大切です。
このように土台の部分を整えて不調の改善を図る場合には、ある程度の時間を要することもあります。

最後のメッセージ

 何らかの不調があるのに病院で検査をしても原因が特定できず、
つらい思いをしたことがあるという人には漢方薬や鍼灸が有効となるケースがあるため、
一度病院で相談してみるといいかもしれません。
 漢方薬は自然界に存在する成分でつくられ、体質や症状に応じて幅広く使用できる薬です。
 また、鍼灸は主に「ツボ」と呼ばれる経穴に物理的な刺激を与えることによって起こる身体の反応を利用して、自然治癒力を高めたり、免疫力を高めて治癒力を高める治療法です。
 うまく適合すれば、様々な症状を改善する効果も期待できるでしょう。
しかし、どんな薬や治療であっても続けなければ効果は期待できません。
西洋医学でも言えることですが、自己判断でやめず、医師・鍼灸師の指示に従って正しく受診してください。
 漢方や鍼灸は、いくつかの症状に複合的なアプローチができるのが特徴です。
しかし、副作用が生じることがあるほか、日常生活において注意が必要な事項もありますので、
漢方薬の処方、鍼灸を受診される際には、医師や薬剤師及び、鍼灸師の指示に従って正しく受診しましょう。

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