2021年December

本年も格別のご愛顧を賜り厚くお礼申し上げます。

202112月29日 -

池田針灸

患者様
 今年も残すところあとわずかとなりました。
本年も格別のご愛顧を賜り厚くお礼申し上げます。
 来年も、皆様にご満足頂ける治療を心がける所存でございますので
より一層のご支援を賜りますよう、お願い申し上げます。
 なお、誠に勝手ながら、年末年始は下記の日程で休業させていただきます。

 年末年始休業 2021年12月30日(木)~2022年1月4日(火)まで

 休業中の急患につきましては、
できる限り、対応させていただきますので、
ご連絡ください。
ご迷惑をおかけしますが、何卒ご理解いただきますようお願い申し上げます。

 明くる年も変わらぬご愛顧をいただけますようお願い申し上げて、
年末のご挨拶とさせていただきます。

池田針灸

天気が悪いと、古傷が痛むのはなぜ??

2021年12月18日

気象の変化によって症状などが悪化する病気を「気象病」と呼びます。
めまい・狭心症・低血圧・喘息(ぜんそく)・うつ病などのもともとの病気があって、気象の変化で悪化することを含みます。
 気象病の中に、天気痛と言って、天気によって出たり消えたりする痛みがあります。
これは、普段から痛みの原因を持っている人で、頭痛・首や肩の痛み・関節痛・交通事故のあとのムチウチの痛み・過去の怪我や手術による傷あとの痛みなどが、気圧が低くなることで悪 化します。
例えば、関節リウマチの患者では気圧の変化と関節の痛み・腫れは関係しているといった報告があります。(京都大学の疫学研究)。
 気象病と呼ばれる病気の原因は、心理的ストレスを含めて、私たちの意志とは関係なく働いている「自律神経」にあると言われています。
 この自律神経には、心身の活動を高め、痛みにも関与している「交感神経」と心身を休める「副交感神経」のふたつがあります。
気象の変化でふたつの神経のバランスが崩れ、交感神経が優位になると、頭痛などが起こります。
天気痛の原因は、気圧の低下が身体のバランスや聴覚に関係する内耳の気圧センサーで感知され、交感神経が優位になって、痛みが生じると言われています。
 治療は、めまい・狭心症・低血圧・喘息・うつ病といったもともとの病気があれば、しっかりとその病気を治療することが重要です。
 さらに、気象の変化によって悪化した場合は、天気痛の原因は耳にありますので、めまいなどの症状に対しては内耳に作用する薬、乗り物酔い止めのような薬を使用します。

 気象病の治療は、可能であれば症状が軽いうちから行った方がよいでしょう。
 予防は、もともとの病気をしっかりと治療しておくことで予防できます。
 天気痛は気圧の低下が原因ですから、自分の痛みと気圧の変化を普段から知っておくことが重要です。
そのために、天気と自分の痛みを日記のように記録しておくとよいでしょう。
気圧の変化は天気に左右されます。
晴天時には高気圧ですし、雨天時には低気圧です。
さらに、雷雨・豪雨・台風などでは気圧はかなり下がっています。
こうした天気の変化が気圧の変化を起こします。
低血圧が予想される場合は、できれば外出を控えた方がよいでしょう。
痛みはいつ来るかわからないので、その痛みに対する不安がストレスとなり、さらに痛みが増します。
普段は天気予報に注意して、自分の痛みのある日を知っておきましょう。
 部屋の気圧を少し上げる治療をすることで、天気痛がよくなることがありますが、自宅で気圧を上げるということは簡単にできないので、この治療は現時点では一部の施設のみで行われています。

 天気痛をチェックする方法として、東京スカイツリー、東京タワー、あべのハルカス、タワーマンションなどのエレベーターの昇降による気圧の変化で、頭痛やめまいが出てくることがあれば、天気痛かもしれません。

漢方の考え「気・血・水」

202112月13日

体を構成する要素「気・血・水」
漢方では人の体は「気・血・水」によって成り立っていると考えます。
 「気」とは人間の体を動かす根源となるエネルギーで、血液や水、臓器を動かし、自立神経系や内分泌系をつかさどる働きをもちます。

 「血」は体内にある赤い液体を指し、全身に酸素や栄養を運んだり、ホルモンバランスの調整もしてくれます。

 「水」は体内にある透明な液体、つまり鼻水や尿、リンパ液などの体のあらゆる水分を指し、免疫力に大きな関わりがあります。

 健康を維持するのは 「気・血・水」のバランス
 漢方では、これら「気・血・水」の3つが、体内をバランスよく循環している状態が、
健康な状態だと考えます。
 「自動車」を例に解説すると、「気」は運転手、「血」はガソリン、「水」は機械の熱を冷ますラジエーターの水だと想像してください。
ガソリンが無ければ自動車は動かず、水がなければ熱を持って故障してしまいます。
また、運転手が暴走をすれば事故に合ってしまう。
つまり、「気・血・水」のうち、どれか一つでも不足したり、滞ったりすると、不調や病気の原因となってしまうのです。

 気・血・水を整え、病気にならない体をつくる
「気・血・水」が乱れる要因は、四季の移り変わり、環境の変化、生活習慣・食習慣の乱れ、
ストレスなど様々あります。
 100年前と比べ私たちをとりまく環境は大きく変化しました。
経済の発展、医学の進歩に伴い、平均寿命が長くなるとともに、新たな病気も増えてきました。
例えば、原因のわからない不調、いわゆる不定愁訴は、なかなか完治が難しいと言われています。
 だからこそ、増加する病気や不調に対して、
「病気の症状があらわれてから治療を始める」のではなく、「自己回復力を高めて、病気の症状が出てこない体をつくる」漢方の考えが注目されます。

 漢方は人類の長い歴史の中で、実際に人々がとりいれることによって発展してきました。
いわば膨大な規模の臨床試験を経て発展してきた医学であり、その時代を生きる人間の、心と体を正常に戻す知恵と工夫が集積されているのです。

不安になると痛くなる

202112月7日


心理的な原因による痛みとは
ストレス社会の中では、様々な心理的要因が私たちの痛みを引き起こしている場合があります。
身体的には異常がないのに、痛みに関わる神経経路にも異常が見られないのに、
ストレスに関連して痛みが生じるのです。
痛みは確かにあるのに、病院で検査しても異常が見つからないので、患者さんは不安を感じたり、混乱されたりします。
また、本当に痛いのに、ご家族や職場から理解が得られなかったり誤解されたりし、
精神的に更に苦痛を感じてしまう場合もあります。 .
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 心理的原因による痛みの原因
では、どのような場合に心理的な原因から痛みが生じてしまいやすいのでしょうか。
様々なケースがありますが、以下のような状態でより生じ易いと言われています。
? 心理的な葛藤から不安が高まってきた場合
? 大きな病気の心配があり、周囲の言葉や種々の情報等によって
暗示にかかってしまっている場合
? 自分の身体の小さな感覚に注意が向きすぎ、感覚が過敏になって
しまっている場合
? 自分にとってかけがえのない人の痛みを、無意識に自分の中に
取り入れている場合
? 敵意や攻撃心を無意識のうちに自分の中に押し込めている場合
? 強い罪悪感がある場合

 心理的原因による痛みの特徴
全てのケースには当てはまりませんが、多く見られやすい特徴はあります。
? 痛みと関連する、身体や神経の異常が見当たらない
? 痛みと関連しそうな状況や背景がある
? 状況によって、痛みの程度が変わりやすい
? 経過によって、痛みの部位が変わりやすい
? 安静時でも運動時でも、痛みの程度は変わらない事が多い
? 痛み止めやリハビリをしても、なかなか効果が出にくい

「痛み」は『身体』で起こっている現象、でもその「原因」は『心理的・精神的』なもの。
一見関係ないように見えますが、実は心と身体は歯車のような関係で、互いにバランスを取りながら機能しています。

 セロトニンは、人間の精神面に大きな影響を与える神経伝達物質で「レアルアドレナリン」「ドーパミン」と並び体内で特に重要な役割を果たす“三大神経物質”の一つです。
セロトニンが不足すると精神のバランスが崩れ、暴力的になったり、うつ病を発症する原因ともなります。
 現代人の多くはセロトニンが不足した状態にあるといわれています。
セロトニンは必須アミノ酸のトリプトファンという物質から合成されます。
ただ体内では生成されないため良質のたんぱく質を食事から摂る必要があります。
トリプトファンが豊富に含まれる食品は大豆・豆製品、乳製品などです。
さらにトリプトファンからセロトニンを合成するときにはビタミンB6が必要となります。
ビタミンB6を豊富に含むのは玄米や小麦胚芽、牛、豚、鶏のレバー、マグロや鰹の赤身などですがたんぱく質を摂るときは植物性のものがベストです。
これらの食品の摂取不足に思い当たりはありませんか。
 セロトニンを分泌するのはセロトニン神経です。
このセロトニン神経は日光を浴びることと適度な運動を行うことで活性化されます。
ただ現代人は屋内で過ごすことが多く、身体を動かすことをできるだけ避けようとする傾向があり不足しがちです。
しかもセロトニンは寝ている間はほとんど作られません。
セロトニンを増やすには朝、起きたときの過ごし方が大切です。
精神的に安定を失っていると感じた場合、朝の過ごし方に問題がないかチェックしてみてください。
まず取り組みたいのは朝食を抜かさないようにすること。
セロトニン神経は、よく噛むことで活性化されます。
朝食を摂ることで朝の時間帯にセロトニンの分泌を増やすようにします。
セロトニンの分泌には日光を浴びることが欠かせません。
運動に関しては一定のリズムで行う運動がセロトニンの分泌を高めてくれます。
リラックスして朝、太陽の光に当たりながら毎日15分程度のウオーキングを楽しむといった方法が良いでしょう。