2021年9月

こわい頭痛(二次性の頭痛)

2021年9月24日

くも膜下出血
脳などの病気で起こる二次性の「こわい頭痛」の代表格は、くも膜下出血です。
典型的な症状
今まで経験したことがない突然の激しい頭痛
吐き気をともなうことが多く、意識を失うこともある
 ただし頭痛があまり目立たないこともあり、注意が必要です。ガーンとする衝撃感、気が遠くなる感じや、めまい感などの異変が、いきなり起こることが特徴です。
 くも膜下出血の多くは、脳動脈瘤という血管のコブが破裂することで起こります。
再出血が起こるとより重症となってしまうため、緊急の入院と早急な治療を要します。
ほとんどは救急車で病院に運ばれます。

しかし、脳外科の外来をしていると、まれに歩いて外来を受診されるくも膜下出血の方がおられます。軽度のくも膜下出血はCTでも診断がつかないことがあり、その場合はMRIや腰椎穿刺の検査が必要となります。

極端な話ですが、当初は風邪と考えられたものが実はくも膜下出血であったと言うこともあり得ます。くも膜下出血かどうかの診断は時として難しく、判断に迷うことも稀ならずあります。今まで経験したことのない突然の頭痛を自覚したときは、脳外科のある病院に救急受診するのが良いです。

●脳動脈解離(のうどうみゃくかいり)

 また最近、脳動脈の解離や、脳血管の攣縮による頭痛がみられることが増えているといわれます。
 脳動脈の解離は、椎骨動脈という脳の後方へ行く血管にできることが非常に多く、急性に後頭部の比較的強い痛みを生じます。
頭痛の性状からは片頭痛や後頭神経痛などと区別することは困難で、MRI検査で明らかになることがあります。
大抵は何事もなく数ヶ月で回復しますが、動脈瘤や血管の狭窄をきたし、まれにくも膜下出血や脳梗塞を起こすことが知られています。
 ウェイトトレーニングなどの運動や感情の昂ぶりに際して突然に頭痛を起こすことがあり、ひとつの原因として可逆性の脳血管攣縮が注目されています。
脳血管の攣縮による頭痛は1-3ヶ月で良くなるのですが、症状だけではくも膜下出血などと区別はつかず、頭蓋内の出血や脳梗塞を伴うこともあり得るため要注意とされています。

●脳腫瘍
脳腫瘍による頭痛は、突然に起こることはあまりなく、数ヶ月から数週間かけて徐々に強くなっていくことがあります。
頭痛は朝方に強くなることが多く、頭痛で目覚めたり、起きてしばらくすると改善することがあります。
頭痛に手足のシビレやマヒ、眼の見えにくさ、けいれんなどの神経症状を伴うときは、CTあるいはMRI検査がおこなわれます。
また、脳ドックなどで偶然に脳腫瘍がみつかることも、ときにあります。
 脳腫瘍がすべて悪性のものということはありません。
良性の脳腫瘍の場合、手術せずに経過を見ることもあります。
手術が必要な場合、適切な治療を受ければ元の生活に戻れることも多いので、気になる症状があれば早めに受診することが重要です。

●その他の二次性の頭痛
 その他の二次性の頭痛としては、髄膜炎、高血圧、低酸素血症、頭蓋骨・頸・眼・耳・鼻・副鼻腔・歯・口の病気によるものなどがあります。

10月 診療・休診のお知らせ

2021年9月21日

      10月 診療のお知らせ

 夜ごとの虫の音に、深まりゆく秋を感じるころとなりましたが、
お元気のことと拝察いたします。
 さて、10月は下記の要綱で診療・休診させて頂きます。


10月11日(月) 体育の日  平常通り診療
  
10月20日(水) 午後の診療のみ   臨時休診
10月30日(土)           臨時休診


  秋たけなわの好季節、皆様のご健康に留意され、ますますご活躍されますことを心よりお祈り、
診療に精進してまいりますので、ご厚情たまわりたく、切にお願い申し上げます。