2020年May
中医学の薬箱 パート1 (心脾両虚)
忘れ物やうっかりミスは誰にもあることです。しかし、それが余りにも頻繁だと、笑いごとですまなくなってきます。
物忘れに加え、言いたいことがうまく話せない、あたまが「ボーット」とする。集中力が続かない。
こうした状態を総じて「健忘」It is called.
実は「健忘」は高齢者特有の悩みでなく、若年層にも起こりえます。
中医学では、若年層の「健忘」の主な原因として「思慮過度」があげられます。
脳の酷使は、精神活動や血の循環をつかさどる"Heart."の働きを低下させ、脳への血の廻りを悪くします。
同時に、緊張状態が続くことで胃腸の働きをつかさどる「脾」も停滞させ、これを「心脾両虚」といいます。
"Heart."の低下によって、記憶や思考、集中力などの能力がダウンします。
さらに精神不安や不眠も招きます。
また、「脾」の弱まりは食欲不振や貧血、便秘や下痢などの症状として現れます。
「脾」は血の生成や統制に働くため、弱まると無月経や閉経、不正出血にもつながります。
「健忘」やその他の症状は、認知症や病気までいかないけれど、毎日の生活を困難なものとします。
解決法は?
神経の緊張をゆるめること、血の廻りを良くすること、胃腸を温め、いたわることです。
1.陰陽リズムに合わせて23時までには寝る
心身を休める睡眠は「心脾虚」の特効薬です。
最も重要な睡眠タイムが22時から2時です。
この時間帯に就寝していることで心身が休まり、
一日の切り替えがうまくできます。
用事があっても23時には切り上げってベッドへ。
早朝へ繰り越しましょう。
2.胃腸は極力冷やさない
胃腸を冷やすと、その働きは停滞するのです。
ただでさえ働きが低下している「心脾両虚」の人にとって、
冷たい飲み物は厳禁と心がけて、お茶はあたたかいもの、
水よりお湯が基本です。
少なくても常温で飲むことを習慣にしましょう。
生姜やシナモン、羊肉、鶏肉など、
胃を温める性質を持つ食べ物を日常的に摂るようにしましょう。
3.週に一度は友人やパートナーとおしゃべりする。
中医学には「百病は気から生じる」ということばがあります。
楽しい時間は脳の疲れをとるものです。
ストレスは体のエネルギーである「気」の巡りを停滞させ、
「血」の巡りも濁らせます。
楽しいおしゃべりには、停滞した「気」を巡らせる効果があります。
週に一度はガス抜きタイムを作りましょう。
4.ナツメ+生姜茶で巡りアップ&胃を温める
精神を休めるナツメ、胃を温める生姜は、
共に「心脾両虚」に効果的な生薬です。
ナツメ一粒、乾姜1枚をポットへ入れ、
5~10分抽出したお茶を飲むことを、朝晩の習慣に。
血」を補う黒砂糖を加えれば、更に効果的です。
皮をむいてスライスした生姜を電子レンジで1分加熱後、
天日で2~3日干せば、自家製の乾姜ができます。
5.黒い食べ物で脳のアンチェイジングを
「心脾両虚」だけでなく、身体の老化自体が健忘を招いているケースもあります。
生命力をつかさどる「腎」は脳の形成にも関与してます。
ストレスのある生活は「腎」を弱め、年齢以上に脳の機能を低下させます。
「腎」のアンチェイジングには、黒ゴマ・黒豆・黒砂糖・黒クラゲを
キッチンに常備して老化を防止しましょう。
6.鍼灸師・漢方医に相談しましょう
「健忘」などの症状があれば、
自分勝手に市販の漢方薬を購入して飲むのは危険です。
中医学の専門である鍼灸師・漢方医に相談すれば、
個々の体質に合わせた治療や漢方薬を処方していただけ、
養生のアドバイスが受けられます。
純粋倫理で!!!
昨年8月母の初盆に購入した胡蝶蘭が、新コロナウイルスに負けず、満開に咲き誇りました。
おそらく母親は、花言葉である「純粋」を忘れずに生きて行けば、今の苦難を乗り越え、福門が訪れると教示してくれているのだろうと思い、母に感謝し、毎日拝んでいます。
「くらしみち」それが純粋倫理
自分をとりまく多くの人々や、
物や自然との関わりなしには生きられない私たちです。
そこには、おのずから社会生活の規範が生まれます。
人と人、人と物、人と自然の間にある道。
幸せに生きるくらしみち
おなかのきもち(Feeling of stomach)
池田鍼灸治療院では、腸がなかなか動かない患者さんには鍼灸・マッサージを行います。それはお腹だけでなく、肩やお尻、手足など、腸の動きとは無関係と思われるところにも行います。
なぜなら、その体の凝りが、腸の動きをにぶくしていることがあるからです。
鍼灸・マッサージ施術をしながら、体の凝りをほぐしていくと、
「冷えや肩こり、むくみといった症状が楽になった」という方もいらっしゃいます。
便秘だけではなく、様々な不調が、体が硬い事とつながっていた訳です。
体が硬い事は長時間同じ姿勢でいることや、ストレッチ不足が原因のこともありますが、
And that's not all.
体の硬い患者さんとお話を聞いてみると、悩みを抱えて心も硬くなっていることが多いと分かりました。
しかし、「悩まないで」といわれても、そう簡単に心はコントロールできません。
そこで、池田鍼灸治療院は体と心が硬くなっている患者さんには、
「まずは、ストレッチや軽い運動をして、しっかり体をほぐしてください。」とアドバイスをしています。
体をほぐしてくると、
「悩んでも仕方ないことは、ちょっと置いておこう」と自然に思えるようになり、
お腹の調子もよくなったという症例はこれまでにもたくさん経験しました。
体をほぐすことで、便と一緒に心の悩みもすっきり流してしまいましょう。
怒らない禅の作法
誰でも毎日穏やかに、笑顔で過ごしたいものでしょうが、なかなかそうもいきません。仕事をしたり、人とかかわっていると、腹立たしい出来事は次々と起こります。
そんな時にいちいちイライラしていては体がもたないとはわかっているものの、
うまく気持ちのコントロールができなかったりします。 「思わずイラッとしてしまった時」の対処法を紹介します。
■おなかからゆっくりと深く呼吸をする
イラッとしても、その気持ちを相手にぶつけてしまっては、人間関係が壊れてしまいます。
そんな時は、自分の「呼吸」に気持ちを集中させてみましょう。
下腹を意識して、ゆっくりと深い呼吸を5~6回繰り返すと、
次第に心が落ち着き、それまで気づかなかった周囲の物音や風景を感じ、
怒りによって狭まった視野を広げることができるようになります。
実は、呼吸と心には密接な関係があります。
呼吸は心に直接働きかけ、気持ちを安定させる力を持っているのです。
呼吸を整えると血流がアップし、逆に呼吸が乱れると血流が低下するとする実験データもあり、
呼吸が心身に与える影響は科学的にも証明されています。
■湧いてきた怒りは、放っておく
イライラしたり怒っている状態は、静かな湖に小石が投げ込まれ、
波紋が広がっている状態に似ていると、著者の桝野さんはいいます。
そして、待っていれば波紋が消えるのと同様、
心の波立ちもそのまま放っておけばいつかは消える、とも。
「怒っちゃダメ」「忘れなきゃ」と思うのは逆効果です。
怒りを感じたら、無理にその感情を抑えつけようとせずに、
目の前のことに集中するようにすると、
波立っていた心が鎮まるはずです。
■被害者意識を消す
人からひどい仕打ちを受けたり、理不尽なことで怒られるのは腹立たしいものです。
そんな時、確かにあなたは「被害者」なのかもしれませんが、
その被害者意識こそが自らの怒りの元凶だということも忘れてはいけません。
そんな時は「私を鍛えようとしてくれているんだ」と、被害者の立場をとることをやめて発想を逆転させてみると、
怒りに捉われない、軽やかな生き方ができるはずです。
怒りや苛立ちなどマイナスの感情をいつまでも引きずっていては、楽しいことも楽しいと感じられませんし、
おいしいものもおいしいと思えません。
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