中医学の薬箱 パート1 (心脾両虚)

2020年5月29日

忘れ物やうっかりミスは誰にもあることです。
しかし、それが余りにも頻繁だと、笑いごとですまなくなってきます。
物忘れに加え、言いたいことがうまく話せない、あたまが「ボーット」とする。集中力が続かない。
こうした状態を総じて「健忘」といいます。
実は「健忘」は高齢者特有の悩みでなく、若年層にも起こりえます。
 中医学では、若年層の「健忘」の主な原因として「思慮過度」があげられます。
脳の酷使は、精神活動や血の循環をつかさどる「心」の働きを低下させ、脳への血の廻りを悪くします。
同時に、緊張状態が続くことで胃腸の働きをつかさどる「脾」も停滞させ、これを「心脾両虚」といいます。
「心」の低下によって、記憶や思考、集中力などの能力がダウンします。
さらに精神不安や不眠も招きます。
また、「脾」の弱まりは食欲不振や貧血、便秘や下痢などの症状として現れます。
「脾」は血の生成や統制に働くため、弱まると無月経や閉経、不正出血にもつながります。
 「健忘」やその他の症状は、認知症や病気までいかないけれど、毎日の生活を困難なものとします。
解決法は?
神経の緊張をゆるめること、血の廻りを良くすること、胃腸を温め、いたわることです。

1.陰陽リズムに合わせて23時までには寝る  
心身を休める睡眠は「心脾虚」の特効薬です。
最も重要な睡眠タイムが22時から2時です。
この時間帯に就寝していることで心身が休まり、
一日の切り替えがうまくできます。
用事があっても23時には切り上げってベッドへ。
早朝へ繰り越しましょう。

2.胃腸は極力冷やさない
 胃腸を冷やすと、その働きは停滞するのです。
ただでさえ働きが低下している「心脾両虚」の人にとって、
冷たい飲み物は厳禁と心がけて、お茶はあたたかいもの、
水よりお湯が基本です。
少なくても常温で飲むことを習慣にしましょう。
生姜やシナモン、羊肉、鶏肉など、
胃を温める性質を持つ食べ物を日常的に摂るようにしましょう。

3.週に一度は友人やパートナーとおしゃべりする。
 中医学には「百病は気から生じる」ということばがあります。
 楽しい時間は脳の疲れをとるものです。
ストレスは体のエネルギーである「気」の巡りを停滞させ、
「血」の巡りも濁らせます。
楽しいおしゃべりには、停滞した「気」を巡らせる効果があります。
週に一度はガス抜きタイムを作りましょう。

4.ナツメ+生姜茶で巡りアップ&胃を温める
 精神を休めるナツメ、胃を温める生姜は、
共に「心脾両虚」に効果的な生薬です。
ナツメ一粒、乾姜1枚をポットへ入れ、
5~10分抽出したお茶を飲むことを、朝晩の習慣に。
血」を補う黒砂糖を加えれば、更に効果的です。
皮をむいてスライスした生姜を電子レンジで1分加熱後、
天日で2~3日干せば、自家製の乾姜ができます。

5.黒い食べ物で脳のアンチェイジングを
 「心脾両虚」だけでなく、身体の老化自体が健忘を招いているケースもあります。
生命力をつかさどる「腎」は脳の形成にも関与してます。
ストレスのある生活は「腎」を弱め、年齢以上に脳の機能を低下させます。
「腎」のアンチェイジングには、黒ゴマ・黒豆・黒砂糖・黒クラゲを
キッチンに常備して老化を防止しましょう。

6.鍼灸師・漢方医に相談しましょう
「健忘」などの症状があれば、
自分勝手に市販の漢方薬を購入して飲むのは危険です。
中医学の専門である鍼灸師・漢方医に相談すれば、
個々の体質に合わせた治療や漢方薬を処方していただけ、
養生のアドバイスが受けられます。
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