2017年8月

第8回臨床鍼灸スポーツフォーラムin三重に参加

2017年8月22日


日本体育大学教授 杉田正明教授、元日本男子バレー米山一朋選手、鈴鹿回生病院 藤澤幸三先生、名古屋女子大学 片山直美教授、四人の先生方の立場からスポーツに関してお話がありました。

 杉田先生はコンディションには、コンデショニング・リカバリー・トレーニングの三つがお互いにトライアングしないと、陸上や水泳など、様々な競技で好成績があげられないという講義内容でした。

 米山選手は、何事にもあきらめず継続することにより、いつかはチャンスが巡ってくる。
そのチャンスを逃さないことが、大事であるというお話でした。
意識を変えると行動が変わり、行動が変わると態度が変わり、態度が変わると習慣が変わり、習慣が変わると性格が変わり、性格が変わると運命が変わる。
健康が第一である。

 藤澤先生は、スポーツ現場における医療連携のお話でした。
スポーツ選手の障害に対して、西洋医学的知識・能力を確認し、東洋医学的概念・知識を共有しながら連携すれば、世界からも注目される素晴らしいスポーツ支援となる。
特に、鍼灸はアンチドーピングにおいて大きな意味を持つものと思われる。

 片山先生は、「最新スポーツ栄養学とトップアスリートのバランス食」についての講演でした。
食事は空腹を満たすだけでなく、必要な栄養素を必要なときに補給することが重要である。
栄養指導の三要因は、環境・時間・遺伝である。
日本人は、他国のアジア人と比べて、遺伝的に食べると太りやすい傾向がある。
長寿健康に暮すには、減食と運動が一番で、禁酒・禁煙によってガンのリスクが低下する。
和食は、日本の伝統的な食文化であり、一汁三菜を基本に、多様で新鮮な食材が素材そのものの味を尊重して調理されていることから、栄養のバランスが非常に優れている。

心と漢方 身体がむくむと気持ちも沈む

2017年8月10日



 連日の暑さで、夏バテ気味になっていませんか?
夏には、体内を巡る気・血・水のうち「水」の流れが一部分に滞る「水滞」という状態に陥る人が少なくありません。
 私たちの生命活動は、気・血・水という三要素によって維持されていると漢方では考えています。
このうち、「水」とは全身を巡りながら身体に潤いを与える無色の液体のことをいいます。
この「水」の流れがスムーズにいかず、身体の一部に停滞している状態が「水滞」です。
この場合、「水滞」を引き起こす最大の要因は、冷たい飲食物の摂り過ぎです。
夏場は暑くて汗をたくさんかくので、どうしても水分を多く摂りがちに。
身体を冷やすようなものを摂りすぎています。
冷えは「水滞」を悪化させます。
「水滞」では、身体の何処に「水」が停滞するかによって異なった症状が表れます。
「水」が全身に停滞する場合は、めまいや下痢、浮腫み、夜間頻尿が表れます。
いっぽう、関節や皮膚に停滞すると、朝の関節のこわばり、顔のむくみに。
胸に停滞すると鼻水や痰、喘息のような症状があります。
お腹に停滞すると、食欲不振やむかつき、冷えが表れます。
「水」が停滞すると、それだけで身体は冷え始めます。
そこで、身体は気をどんどん巡らせることによってエネルギーを回し、「水」を追い出そうとするのですが、
「水」は滞ったままびくともしない。すると、気も巡らなくなる。これが「気鬱」です。
身体の中に悪い気がたまり、どんより淀んだ状態になるのです。
「気鬱」になると、心が憂鬱で、頭が重い。胸がつかえる。お腹の膨満感。おならの回数が増える。ゲップが良く出るようになります。
漢方では、浮腫みだすと、身体が重くなり、気分も沈むというサインが出ると精神にも要注意です。
 もし、このような状態が思い当たるのであれば、まずは身体を冷やさないことに心がけましょう。
冷たい水、ビールを飲み過ぎないように注意しましょう。
身体をクーラの冷えから守ることも大切です。
体内に「水」が停滞しやすい夏こそ、水はけのいい身体をつくり、身体を冷やさないこと。
本来、夏は身体も元気に生き生きと活動できる季節です。

食べたいものを食べる

2017年8月8日


好きなものだけを食べて嫌いなものを食べないのは動物の世界では当たり前です。
現在、世界一の長寿は117歳のイタリア人ですが、小さい頃から毎日たまごを3個食べてきたそうです。
コレステロールなんか気にしていないです。
史上最高の長寿者は、野菜が大嫌いでした。その代わりにチョコレート、赤ワイン、肉などを好んだそうです。
そもそも食べ物の好みは体質によって決まっているんです。
冷え性の人は生野菜やビールよりも身体を温める肉や赤ワインを好むのです。
つまり、自分の身体が欲しいと感じているものを食べることこそ一番健康にいいのです。
 腹八分目と言いますが、目の前にある食べ物を残してまでダイエットするのはかえってストレスになります。
よく噛んで食べろとも言いますが、30回も噛んでいたら食事は楽しみではなくストレスになってしまいます。
溢れる健康情報に惑わされないで、自分の五感で判断するべきです。
自分が好きな食べ物はそもそも五感で選んでいるものなので、健康につながるはずです。
 最近流行している糖質制限があります。
しかし、高齢者がこれをするとリスクが大きいです。
血糖が下がって、倒れる危険性が増します。
100歳以上の高齢者に好きなものを聞くと、甘いものと答える人が非常に多いです。
増えすぎた体重を落とすためには有効かもしれませんが、高齢者が真似する必要はありません。
 人間の歯の形を見れば、よくわかることですが、32本あるうち20本が臼歯という穀物を食べるための歯で構成されています。
野菜や果物を食べる為の前歯は8本で、肉や卵を食べる為の犬歯はたった4本です。
そう考えると、穀物を摂らないという食生活は明らかに不自然です。
糖質の摂取をあまりにも制限してしまうと、タンパク質が筋肉にならずに、エネルギーとして燃焼するために使われてしまうのです。
ですから、極度の糖質制限は筋肉量を減らしてしまうことになりかねないです。
 一方、高齢者が良質のタンパク質を摂ることは大切です。
健康志向の人は鶏肉をよく食べますが、これは必ずしも正しくないです。
豚肉や牛肉のほうが鉄分などのミネラルやビタミンが豊富です。
牛や豚の赤身は効率よく必要な栄養素が取れるのです。
鶏肉も地鶏であれば運動をしていますが、ブロイラーはほとんど運動しないメタボな肉なので、一般にイメージされているほどヘルシーではありません。
 栄養のことを難しく考えず、美味しいと思うものを好きだけ食べる。
それが健康長寿への近道だった。